11月20日、京都を拠点に活動している吃音のセルフヘルプグループ、「すたっと京都」の月例会で、国語の授業を行いました。
この取組は毎年1回、10年以上にわたって継続しています。「小中学校時代の国語の授業の時間が苦手だった。いつ音読など指名されるか、人前で吃症状がでる不安に緊張した」と振り返る方が、ピアグループで語り合う中で、国語の授業の楽しさを改めて味わいたいという思いを伝えてくださったことから始まりました。
以下、「すたっと京都」の会報から、その記録を載せます。 (高井)
11月例会「どもってもいい授業を楽しもう」
11月20日(日)、聴言センターにて高井小織さんを講師にお招きして例会を開催しました。
まず、自己紹介・近況報告からです。久しぶりの方、昔一緒に活動した一般の方も参加しての和気あいあいとした雰囲気で始まりました。しばらく会わない間に皆さん、いろんなことがあったんやなと感じました。そんなことを話せる場所があることにも感謝です。
そして授業が始まりました。今回は古文です。「おくのほそ道」から 松尾芭蕉の世界を学びます。『月日は百代の過客にして~』なんのことやら。どう読むの?からです。高井さんから芭蕉の言葉を現代の自分の言葉に置き換えて考えたらどうなるやろうと聞かれます。芭蕉が生きた時代。芭蕉の身の上。そして中国の李白、杜甫へと話は飛んでいきます。芭蕉は江戸から北へ北へと旅をつづけていきます。白河の関を越え、仙台から平泉へと旅は続きます。その地その地で俳句を残していますが、今回この授業をしっかりと受けたので俳句の意味や背景も浮かぶような気がしました。
各人が少しずつ古文を読み、自分なりに意味を発表します。それぞれの人がなるほどと思うことを話してくれました。久しぶりの参加の N さんが私では思いつかない疑問を出してくれて脱線したり、また深読み出来たりと話の輪は広がって行きます。芭蕉がどのような思いで江戸の住まいを処分してまで長い旅に出たのか、想像もできませんが彼の残した俳句を読み解くことで今の私たちに通じることがあるのかもしれません。わずか17文字に自分の思いを託すことの難しさ、おもしろさをもっと感じてみたいと思いました。
高井さんが、好きなことを話す私達をうまくまとめながら、授業のおもしろさを伝えていただいたのには本当に感謝しかありません。話すこと、聞くことの楽しさを今回も充分に味わうことが出来、楽しい時間でした。最後の感想で、「芭蕉にあこがれる」、「噛み砕いた説明でよく分かった」、「学生時代は言葉の事ばかり考えていたが今回は内容が頭に入ってきた」など、皆さんも満足されたのではないでしょうか。
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