2024.02.11

論文の紹介「パーキンソン病における眼球運動の障害とトップダウンおよびボトムアップの神経処理との関連性 」

専攻長 河村民平教授の論文が、Brain & Behavior 2024 に掲載されたので、紹介します。

「Impaired eye movements in Parkinson’s disease and their relationship to top–down and bottom–up neural processing」

Brain & Behavior 2024. DOI: 10.1002/brb3.3404

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/brb3.3404?campaign=woletoc

 

 

(要約)「パーキンソン病(PD)は、眼球運動障害を引き起こす可能性のある神経変性疾患です。PDの方は、視覚情報の検索や処理が困難な場合があります。

本研究では、PD患者の視覚探索運動や視覚情報処理に意味がどのような影響を与えるかを調べました。意味のある画像や無意味な画像など、さまざまな種類の視覚刺激に反応して眼球運動と脳活動を測定し、健常対照群と比較しました。その結果、PD患者は、健常者と比較して刺激に対する眼球運動が少ないが、刺激の意味・無意味の違いによって視覚探索運動と脳活動に影響を与えることがわかりました。これは、PD患者が視覚情報を処理する方法に刺激の意味性が関与していることを示唆しています。これらの違いを理解することは、パーキンソン病患者の視覚処理を改善するための新しい治療法の開発に役立つ可能性があります。」

一覧に戻る