2024.11.22 教員コラム

「アゲハチョウ通信~その後~」(教員コラム:上田Dr)

本来なら、我が家のアゲハチョウ通信は、来年までお休みのはずでした。

ところが、最後に残った丸々と太ったアゲハチョウの幼虫は、いつの間にか鳥に食べられてしまったようで、来年報告することがなくなってしまいました。楽しみにされていた皆さん、ごめんなさい。

そこで、アゲハチョウのことで思い出すことなどつづってみます。

私も小さい頃は昆虫採集、川で魚とりなどに熱中した時期があり、一時期は獣医になろうかと思っていました。

なので、今は解体されてなくなってしまった、京都大学の霊長類研究所は、私にとって多少の憧れの組織でした。
一番影響を受けたのは、今西錦司先生(1902年-1992年)ですが、日高敏隆先生(1930年- 2009年)からもいろいろと影響を受けてきました。
日高先生は、動物行動学者のローレンツの著書の翻訳、動物行動学についての専門的著書、動物学の先生方が最終的にたどり着く、ヒトについての考察が書かれた著書などに加え、気軽に読めるエッセイもたくさん書かれています。
その中で日高先生は、子供のころに蝶を採集していてアゲハチョウが必ず通る道があることを発見し、それが蝶道と呼ばれていることを知ったというお話を、いくつかのエッセイ集で書かれています。

子供の昆虫採集で、このようなことに気が付く、というのがすごいですが。。。たしかに、アゲハチョウの仲間は、気長に観察していると、一定の空間を、まるで見回りをするかのように繰り返し飛ぶ行動が見られます。
今回少し調べてみましたが、どのようにこの巡回する道が決まるのかは、いまだにわかっていない部分も多いようです。と思ったら、いやはや、日高先生、やっぱり子供のころの興味を最後まで探求されていたのですね。
「チョウはなぜ飛ぶか」というフォトブックを出版されていました。今度読んでみよう。

絵はイメージ画です
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