2018.04.04 学生の活動

活動2日目:北部フィールドワーク

Ⅱ 舞鶴聴覚言語支援センター:二日目はまず、JRで舞鶴まで移動します。前日の春の陽気とは一転、冷たい雨と風で震え上がりました。舞鶴聴言センターは2001年に開設され、京都市・府下の数カ所にある地域のセンターの一つです。「晴れてたらねえ・・。少し歩けば日本海ですよ」と言われたのですが、どうしてもそこまでは歩けませんでした。

言語聴覚士の村上菜穂子氏のお話

 京都府北部出身で、STになった当初は病院勤務の経験もあり、福知山、舞鶴で聴言センターの言語聴覚士として勤務されています。学生達は「病院では、一人の人を変える、その人の病気を治すことが大事だけど、地域(聴言センター)ではその人を取り巻く環境を変えることが大事なのです」という言葉を印象深く聞いていました。勤務内容は、地域の「きこえ相談(聴力検査等を含む)」、多ければ一日7,8件になる通訳派遣業務など多岐に渡ります。聴覚分野のSTとして働くには、手話は不可欠だと数年間養成講座に通い、流ちょうに手話で話されました。「忙しそうに見えない」(本当は忙しくても)ことを心がけているという笑顔には、とても共感できました。

⑥地域の聞こえない方との交流会:

 その後の交流会では、たどたどしくも学生全員が手話で自己紹介をし、3つのグループに分かれて輪になって座ると、周囲の聞こえない方からどんどん話題の助け船が出て盛り上がります。「単位のためにここに来たの?」と聞かれて自主的に参加したと答えたら、拍手をもらって照れている学生がいました。触手話を実際に経験した学生は自分の手話を読み取ってもらい、伝わったことが嬉しそうでした。


Ⅲ 京都府立聾学校舞鶴分校 聴覚障がいのある子ども達の放課後デイサービスは週2回ずつ聴言センターと舞鶴分校で開かれています。この日は各自で「舞鶴名物」の昼食をとった後、午後から舞鶴分校に伺いました。

校内見学(各教室や聴言室など)、言語聴覚士の野田章訓先生のお話:
 盲唖院から始まる本校は140年の歴史ですが、舞鶴分校も65周年を迎え、地域に深く根付いています。幼稚部と小学部だけの設置なので分校の子どもの数は少ないですが、広い北部に点在する聾学校外の多くの子ども達の聴覚管理やその学校への支援、保護者支援、そして聴言センターなど社会との繋がり等、縦横方向に広くアンテナを広げ、「繋がる」拠点になっています。

 学生にとっては、校内を見学できること自体が貴重です。聴力測定の部屋では、小さな子どもがリラックスし、遊びの延長で飽きさせずにできる工夫が随所にあります。と同時に決して検査のための検査ではなく、それが子どもの成長や利益に繋がらなければいけないという確固たる視点が必要です。自立活動の教員免許もとった野田先生からは、現在数としては決して多くはないけれど教育や療育に関わるSTとしての姿勢をしっかり教えていただきました。

⑧峰山に住む小栗郁久子さんのお話:
 峰山から、お寺の奥さんでご自身が聴覚障がいのある小栗さんが来てくださいました。広い北部地域。4月から自分の子育てからちょっとだけ手が離れる小栗さんは、峰山から舞鶴分校に通う小学生の通学支援ボランティアを始めるそうです。会社やお寺や病院など体験談をもとに学生との対話が続きました。

⑨放課後デイサービス、子ども達との交流:コマまわし、お手玉、縄跳び、ままごと、絵本・・・。校内のプレイルームで童心にかえりよく遊びました!

 

 

一覧に戻る