2018.04.04 学生の活動

学生感想:北部フィールドワーク

この二日間の活動を終え、学生全員で合計で50ページにもなるレポートを作成しましたが、その中から、学生の振り返りのほんの一部を紹介します。

 

・1年Kさん

 二日間を通して私の中で一番大きく残っているのは、手話である。去年の夏頃に独学で少しずつ手話を覚えてきた。しかし、ここ最近は忙しいこともあって、停滞していた。だが、今回のフィールドワークに参加して、手話への意欲がまた増してきて、ちゃんと時間を作ろうと思えるようになった。
 実際に手話で会話できた喜びも大きく影響している。手話や聴覚分野に興味を持っていた私にとって、この二日間はとても有意義な時間であった。自分の幅を広げるきっかけにもなった。病院の他にも、このような福祉施設への実習も行ってみたいと感じた。

・1年Sさん

 濃い二日間を過ごせたと。今回は、病院以外の施設で働いている言語聴覚士や他の職の人の生の声を聞くことができ、さらに、その施設や聾学校を利用している人たちと実際にコミュニケーションをとることができ、貴重な体験ができた。
 どの施設でも、活動や支援に時間をかけてより良いものを提供していた。その中で、言語聴覚士は専門的な知識を広め、それを上手く活用する力を求められていると感じた。

・1年Hさん

 今回はコミュニケーションの多様さを実感した2日間でした。聴覚障害があり、聞こえないからといって必ず手話ができるというわけではないし、そういう場合、絵やその他の方法で自分の意思や思いを伝える方法があることからコミュニケーションの多様さを感じました。また手話をただ表現するだけではなく、言語以外の笑顔などの表情の大切さやアイコンタクトもコミュニケーションには必要だと感じました。そして日常生活にコミュニケーションのヒントがあることも学びました。

 いこいの村では、利用者さんが自ら自分がこうしてほしいという要望を言って、それをもとに職員の方が動いていると感じました。自分も自分が必要なことを言える力を身につけたいです。またそれぞれにあった支援の形がみられました。利用者さんごとに支援の形は変わってくると思うので、今一度「支援」や「福祉」や「福祉サービス」について深く学びたいと思いました。

 人と人を繋ぐコミュニケーションの多様さや、その存在を改めて見つめ直してみようと思います。そしてただリハビリに取り組むだけではなく地域との繋がりを持ち、利用者の方と社会を繋げていく存在の大きさ、ありがたさを痛感しました。手話言語条例が成立した今、確実に手話は広まっています。しかし、手話だけ広まっていてもたりません。聞こえない当本人の声をきちんと知ることが大事だと感じました。

・1年Hさん

 二日間のフィールドワークを通して、コミュニケーションの多様性を深く実感した。コミュニケーション手段には、普段私たちが当たり前のように使っている話し言葉や書き言葉だけでなく、手話やジェスチャー、絵、サイン、マークなどのオリジナルのコミュニケーションスタイルが存在し、その中には相手の日々の思いや喜び、願いが込められている。それを読み解く鍵は何気ない日常生活に転がっていて、相手とコミュニケーションを取りたいと思う気持ちが新たなコミュニケーションを生み出すことを学んだ。

 昔は聞こえない人に対する周囲の偏見が悪影響を及ぼし、聞こえない人々を社会から孤立させる結果となった。しかし、現代ではコミュニケーションが多様化し、聞こえる人も聞こえない人も共に生きる社会を目指して、多様なコミュニケーションを認め合う空間が生まれた。だが、それでも聞こえない人に対する社会の偏見は未だ残りつつある。再び同じ過ちを繰り返さないためにも我々は、聞こえない人に対しての理解をより深め、多様なコミュニケーションを認め合う空間から環境に広げる取り組みが必要である。

 私は病院には1度実習に訪れたことがあるが、地域で活躍する言語聴覚士について学ぶことは今回が初めてだったのでどの施設も新鮮で興味深かった。今回の合宿で学んだことを参考に将来、病院と地域のどちらで働くかをじっくりと考えていきたいと思う。

・1年Yさん

二日間を通して、言語聴覚士には病院だけでなく働く場は様々なのだと知ることができた。

 聴覚障害者だからといってみんなが同じ障害を抱えているわけではない。それぞれに障害の度合いも違い、今までの人生も異なる。対人援助職はその人たちにそれぞれどのように向き合うかが大切だと感じる。当事者の方たちも自分なりに苦しい経験を経て、仲間と呼び合える人に出会えて自分のやりたいことをやっている。私たちはそのサポートができれば、それほど幸せなことはないと思う。

 また、手話にも人それぞれ表現方法が異なり、ジェスチャーや身振り手振りなどにも個性があるのだと改めて感じた。そして、コミュニケーションは出会ってすぐに取れるものではなくて、ゆっくり時間をかけて理解し合うことによって信頼関係や絆が生まれるなだと感じた。

 この2日間で出会った人たちは、それぞれに自分の意思を持っていて、それを実行に移すことができているのではないかと考えた。この経験によって私は、主に2つのことを学んだ。1つは、自分の意思で何かを行動することである。自分で行動しなければ誰もついて来ないし、自分の為にもならないと考えた。2つ目は、対人援助職には心の余裕が必要であるということである。私は、緊張した時には頭が真っ白になって、自分でも何をしているのか分からなくなる時がある。もし、職場に出てそのような事になったら利用者の方や患者の方は不安に思うだろう。そうならないためにも心に少しでも余裕を持てる人間になりたいと考えた。

・1年Hさん

 2日間を通して大学で勉強することも大切、また実際に関わることも重要であると気がつきました。練習していた手話が本番では自信をなくしたこと、関わる一人ひとりの方が色々な生き方をされて、その日一緒に過ごした時間は貴重でした。

 帰る時には色々なものを持ち帰ることができた気がしました。聴覚がいの方と関わるときには手話が必要だと感じました。やってみようという前向きな気持ちが何事にも大切だと知り、私も前向きな気持ちを持ちこれからも勉強していきたいです。そんな気持ちになれた2日間をとても感謝しています。

・2年Nさん

 今回の実習を通して言語聴覚士の卵として多職種、多機関と連携する重要性を感じました。なぜなら聴覚障がいを持ちながら地域で日常生活を送っている方が多いからです。その日々の活動を見れば、日常生活は自立しているため、さほど大きな問題は無いとは感じられます。しかし、今回交流させて頂いた利用者様のお話の中にもあったように地域から孤立していると、情報不足による影響は徐々に広がっていくことがわかりました。

 積み重なる情報不足は、教育面で学力や知識の低下を生み、社会性や、情緒面、心理面に多大な影響を与えます。言語聴覚士の卵としてはただその場の対応に取り組むだけではなく地域との繋がりを持ち、利用者様と社会を繋げていく存在でありたいと思いました。

・2年Hさん

 刺激的な二日間はあっという間で、私に様々なことを考えさせる機会を与えてくれた。地域で生活する、地域で支える、「地域」という言葉がたくさん出てきたが素晴らしい活動だと感じる。私もいつか飛騨の田舎に帰りたい。多くの人がきっと地元での生活を望んでいるだろう。それを実現するための仕事はやりがいがあると思う。「仲間」がいる「地域」で「安心」して暮らせる。「自己実現」ができる場所。今回の講話はどれも私が将来患者さんや当事者と関わるうえで大切なことをワードとして教えてもらった。そのほかにも上記にたくさん記入したが私の心に響く言葉がたくさんあった。

 今回特に参加してよかったな、と思うことがある。それは、私に言語聴覚士としての働き方の幅を与えてくれたことだ。私は少し視野が狭くなっていたのかもしれない。摂食嚥下の分野しか私には見えていなかったが、働き方、活躍の場の多様性を目の当たりにして、また各分野で活躍する言語聴覚士の先生方を見て本当にあこがれの気持ちが芽生えた。素敵な職業だと改めて思ったのだ。私はこれからさらに胸を張って言語聴覚士を目指しているというだろう。そして言語聴覚士になった暁には。誇りをもって言語聴覚士として働けることを確信した。
 人生のどの時期においても関わることのできる仕事はそれほど多くないと思う。数少ない中から言語聴覚士を選んだ過去の私は、間違った選択をしなかったと思う。言語聴覚士になりたい、一つのことに打ち込めるということはなんて幸せなことだろうか。この気持ちを応援してくれる両親、親族、先生方、友人に感謝し、これからさらに精進していきたいと思った。絶対言語聴覚士になる。

・2年Mさん

 いこいの村の皆さんは、とてもいきいきに自分の活動をし、誇りを持っていた。また、スタッフは手話や言葉がでない仲間のコミュニケーションは何気ない日常からヒントを得ていた。そのヒントはすぐにわかる物もあるが、何日たってから気付くこともある。ただ、どんなことでもなぜ?と疑問をもち根気よく観察することが重要と考える。

 二日目は、地域や教育現場で働く言語聴覚士のかたと直接お会いすることができた。その中で、病院の言語聴覚士とはちがう面が2つあった。1つ目は、相手の日常で起きていることを聞くことだ。相手の話を聞いてそこから一緒に改善を考える姿勢を学んだ。2つ目は日常の成長を観察することだ。これは教育の現場でみられる。子供は成長をする時に、十人十色の成長をおこなう。そのため、苦手なもの、得意なものを普段から観察し、その子に合わせた勉強方法を考えるのが必要だからである。

このことから、今回の2日間で学んだ事は、観察力と何気ない日常からのコミュニケーションの大切さである。

 

 

 

 

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