京都光華女子大学 看護福祉リハビリテーション学部※ 福祉リハビリテーション学科 社会福祉専攻 ニュース 多方面で活躍される社会福祉士Yさんをお迎えし、お話をお聞きしました! 

ニュース

授業

多方面で活躍される社会福祉士Yさんをお迎えし、お話をお聞きしました! 

今月に入り、対面授業もようやく増えてきました。 

1117日(水)2限の「ソーシャルワークの基盤と専門職」では、福祉コンサルタントのYさんにお越しいただき、1回生に熱いメッセージを伝えていただきました。 

Yさんは、いわゆるフリーランスの社会福祉士さんです。 

もともと老人ディサービスセンターのご経験の後、現在ではディサービス経営のコンサルタントをはじめ、社会福祉士として多様な仕事に就いておられます。 

Yさんが大学を卒業した頃の社会福祉士は、名称独占資格でもあり、まだ活躍の場、職域が少なかったそうですが、今では、かなり広がっているそうです。Yさんご自身も、司法の場における成年後見人やスクールソーシャルワーカーも担っておられます。スクールソーシャルワーカーの業務では、不登校の子どもたちのための適応指導教室を担当されています。また、第3者評価の調査員として数々の福祉施設を訪問しておられるそうです。 

このように複数の福祉の仕事に従事されているYさんですが、病児家族の当事者さんでもあります。 

娘さんのAちゃんは1歳のときに小児がんを患いました。がんが脊髄を突き破って神経を圧迫、お腹から下が麻痺し、今も車いすで生活されています。病院で告知を受けたとき、「えええ?」と言葉にならなかったそうです。そこからAちゃんの治療を真ん中に、家族で協力しながらの暮らしをこれまで過ごしてこられました。 

Yさんは、このご経験から、子どもたちの福祉、子どもの家族の福祉にも目が向き、高齢分野から子どもの分野まで仕事のウイングも広げていかれたそうです。 

 

福祉は“対・人”の仕事で、心のあり方が大事だとYさん。 

例として、夕食ディのお話、タイムマネジメントのお話、PTさんのお話の3つの事例をもってきてくださいました。利用者支援を考えるときも、いろいろなやり方があって、諦めないこと、時間を有効に使うことの大切さを伝えていただきました。 

そして、家族のお話に移り、家族であっても、心の底から「ありがとう」という言葉を言うと、ぐっと心の距離が近づくという体験も語っていただきました。ただ、普段は身近すぎて「ありがとう」が言いにくいという側面が誰しもあると思います。Yさんは、身近な家族だからこそ思いを伝えることで、コミュニケーションがとりやすくなったり、正直な気持ちになったりする経験を語ってくださいました。一方で、これまでお世話になった病児家族の方々もコロナの影響で和める時間が無くなってしまっている現実がありました。そこで、Yさんは、「ありがとう」を言いやすくする、誘発するためのオンラインイベントを企画されました。1121日の「家族の日」に合わせ、動画や講演で発信し、病児家族同士がつながる場を目指されています。 

 

Yさんのお話は、人へのミカタを変えることにも及びました。Aちゃんは、車いすを使っておられますが、走り幅跳びをされるそうです。「Aちゃんは、○○はできないに違いない」と思ってしまうと、人の伸びゆく芽を摘んでしまいます。しかし、「こんなことができる!」というミカタで人をみて、その姿勢で向き合っていくこと、その人にどうやったらできるかな? というミカタをすることが必要とのことでした。 

最後のエピソードは、福祉の言葉の意味を表す「しあわせ」についてでした。以前、Aちゃんの入院のため、家族がバラバラになった期間があり、それを経て、家族が1つ屋根のもと過ごせたことこそ、幸せを感じたそうです。Aちゃんと人生を歩まれる中で、「命は有限、今どう生きるかが大事」と強く思い、今この瞬間を大事に活動するようになったのが今日の自分なのだということでした。 

Yさんの人生から紡ぎだされた言葉の1つ1つが学生たちの胸に深く届いたことと思います。貴重なお話をいただき、ありがとうございました! 企画の成功をお祈りしています。 

(南 多恵子) 

 

 

☆彡社会福祉専攻のHPはこちら
  https://www.koka.ac.jp/welfare/