皆さんの性別は何ですか?
それはどうしてそう思いましたか?
そんなこと考えたこともなかったでしょうか?
人間は、遺伝子情報で性別が決定します。
遺伝子情報は染色体というものに書き込まれており、性別の決定に関わる情報を持つ性染色体があります。
性染色体にはX型とY型の二種類があり、「XY」のペアで男性、「XX」で女性になります。
これに基づいて生まれてきたときに戸籍上の性として、男性か女性かが決定ます。
(性分化疾患という疾患もありますが、それは日本小児内分泌学会のHPをご覧ください。下記の漫画もおススメです。)
おそらく、自身の性別を聞かれた時、この戸籍上の性、生物学上の性を答える方が多いと思います。
そして、その性は男性と女性の二種類しかありません。
しかし、人間の「性」はそんな単純ではありません。
自分で自分の性をどのように認識しているかは「性自認」といいます。
戸籍上は女性であっても、性自認が男性の方、女性の方、どちらもある方、どちらでもない方・・と言葉では表しきれないほど多くの性自認があります。
皆さんの中にも、自分の中の女性っぽいところ、男性っぽいところ、男性とも女性ともいえないところなど多かれ少なかれあるのではないでしょうか。
この戸籍上の性と性自認の性が異なる方のことをトランスジェンダーといいます。
戸籍上の性が男性で、性自認が女性の方を、MtoFといい、
戸籍上の性が女性で、性自認が男性の方を、FtoMといいます。
トランスジェンダーの方の中で、身体的にも性自認の性と一致させたいと思い、性適合手術をする方もおられます。
そうした方々を、トランスシェクシャルといいます。
(トランスシェクシャルの方について、性適合手術については下記の漫画がおススメです)
トランスジェンダーの方全員が、性適合手術を望んでいるわけではないことも知っておいてほしいです。
そして、自分がどのような性を表現するかを「性表現」といいます。
短い髪でカッコイイ男性的な格好を好む
スカートやリボンなど女性らしい格好を好む
ネイルをする、髪を伸ばす・・
こうした見た目の表現だけでなく
女性らしい言葉を使う、足を広げて座る等
言葉や態度などで表現することも性表現に含まれます。
自分自身が「女性である」という性自認の方であっても
ショートカットでボーイッシュな性表現を好む方もいますよね。
さらに、どのような性の方に恋愛感情を抱くか、性的魅力を感じるかを「性指向」といいます。
性自認(戸籍上の性ではないことが重要)と性指向が異なる性であることを異性愛といいます。
そして、性自認と性指向が同じ姓であることを同性愛といいます。
同性愛の中で、男性の性自認で性指向が男性であることをゲイといい
女性の性自認で性指向が女性であることをレズビアンといいます。
同性愛の書籍等は、たくさん出ています。下記は個人的なおススメを載せておきます。
男性も女性も恋愛対象であったり、SEX対象であったりするかたをバイセクシャルといいます。
性指向の中には、恋愛対象としての性指向と、SEX対象としての性指向があり、これが一致している人もいれば、一致していない人もいます。
例えば、恋愛対象は男性だけど、SEXは男性とも女生ともできるという方もいます。
レズ、ゲイ、バイ、トランスジェンダーの方々を総称して(それぞれの頭文字をとって)LGBTといいます。
しかし、この4つにも分類されいない方々も多くいます。
例えば、自分の性別がわからない、日によって性自認が異なるという方もおられます。
性自認がはっきりしない方やわからない方をクエスチョニングといいます。
さらに、性愛対象や恋愛対象をもたない方(アセクシャル)、性別がないと感じる方(Xジェンダー)など多様な性があるため、LGBTにクエスチョニングやその他の性も含めてLGBTQ+と表現します。
また、ここに示した性自認、性表現、性指向は、男性か女性かと二分論で語ることはできません。
男性よりの女性、女性が多く男性が少し、日によって揺れ動くなど、本当に様々です。
そのため、近年はSOGIEという言葉を用いることも増えてきました。
SOはSexual Orientation セクシュアル・オリエンテーションの頭文字で、性指向全般を指します。
GIはGender Identity ジェンダー・アイデンティティの頭文字で、性自認を指します。
GEはGender Expression ジェンダー・エクスプレッションの頭文字で、性表現を指します。
みなさんのSOGIEはいかがでしょうか?
こうしたSOGIEにまつわる多様性を、多くの人が知っていることは非常に重要です。
なぜなら、性の話はタブー視されやすく、多くの人とは異なるSOGIEを感じているひとは、そのことについて一人で悩み、苦しむことが多くなります。
また、勇気を出してうちあけたさいに、偏見や差別といった目にさらされてしまうこともあります。
多くの人とは異なるSOGIEをもつ人をセクシャルマイノリティといいます。
厚生労働省は、セクシャルマイノリティをもつ方の自殺率の高さを指摘しています。
そして「自殺総合対策大綱~誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して~」のなかに、セクシャルマイノリティの方々への支援の充実を明記しました。
セクシャルマイノリティの方々は、人口の5~10%程度いるといわれています。
これは、左利きの人の割合(10%)やAB型の人の割合(10%)の人と同程度となります。
「私の周りにはいない」なんてことはないはずです。
ソーシャルワーカーは多様性の尊重、人権擁護が重要な任務です。
京都光華女子大学の図書館にも、セクシャルマイノリティについて理解を深められる書籍が沢山置いてあります。
まずは知ることから始めてみてください。
浜内彩乃
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