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社会福祉って何?

地域を支える社会福祉協議会とコミュニティソーシャルワーカー

私たちは全員、地域社会の中で生活をしています。

近年、隣に住んでいる人の名前を知らない、地域に住んでいる人とあいさつをする機会が少ないなど
地域社会のつながりが希薄になっているといわれており
「地域社会の中で生活している」という感覚が少ない人も多いのではないでしょうか。

「地域とのつながりなんて必要ない」と思っている人がいたら、一度、自分が住んでいる街を注意深く見てほしいです。
例えば、
街灯がなかった道に街灯ができた
「飛び出し注意」等の看板がある
ポイ捨てされていたゴミがなくなっている
ということはないでしょうか。

一見、自分と直接関係がないようなことかもしれませんが
上記のようなことがなければ
夜の犯罪が増え、外を出歩きにくくなっていたかもしれません。
事故が多く発生し、子どもを安心して外出させられなくなっていたかもしれません。
街中のゴミが増え、臭いがしたり、不快な思いをすることが増えたかもしれません。
(街中にゴミが増えると犯罪が増えるともいわれています)

私たちが安全安心に生活ができている背景には、地域の方々が
街灯を立ててほしいと声をあげたり
事故が起きやすい場所で注意喚起をしたり
街中のゴミを拾い集めたり
といった活動をしているということが多くあります。

安心安全に生活をしているときは、そうしたことが「当たり前」のように感じてなかなか気づくことができませんよね。

戦争や災害など安心安全が崩れた時には地域社会の重要性を感じやすいかもしれません。
大きな地震が起き
家が崩壊してしまった
水がでなくなってしまった
食料が手に入らなくなってしまった
時にはどうするでしょうか。

公民館や学校など地域の場を避難所として整備がされ
水や食料の配給がされるように声をだしたり、それらが平等に分配されるように声をかけあったりすることが大事になります。
こうした事態の時には、行政職員の方々も被災者となり
地域住民が互いに支えあって乗り切らなければいけません

こうした事態にそなえ、戦争や災害など苦しい状況に置かれた人や、恵まれない人を支援するために作られた民間の団体を慈善団体といい、慈善団体が行う活動を慈善活動といいます。

今では想像が難しいかもしれませんが
1900年前後の日本は、写真のような様子でした。


引用:https://karapaia.com/archives/52215897.html


貧困や犯罪も多くありました
1904年には日露戦争が起こり、1914年には第一次世界大戦が起こっています。
それにより戦争孤児が増えたり、国民は劣悪な労働環境で働かざるをえなくなったり、生活困窮が進んだりして、厳しい生活を送らざるをえなくなりました。
こうした社会の中で、貧民の救済や犯罪の矯正などの活動が広がっていきました。

1923年には関東大震災が起こり、避難者に対する救護活動も重視されるようになりました。
時代と共に必要とされる活動異なっていますが、地域のニーズに応えるための活動は続けられています。

そうした活動を中心に行っているのが「社会福祉協議会(略称:社協)」です。
社会福祉協議会は、全国に1カ所の全国社会福祉協議会と、各都道府県に設置されている都道府県社会福祉協議会と、市区町村に設置されている市区町村社会福祉協議会とがあり、それぞれの役割がありますが、今回は一番身近な市区町村社会福祉協議会について説明をします。

市区町村社会福祉協議会は、地域の福祉ニーズに対応するために、ボランティアと協働します。
ボランティア活動に関する相談や活動先の紹介を行うボランティアセンター機能を持ち、子ども会や老人会などの地域住民が行う障害者や高齢者の見守り活動をサポートし、、日常生活自立支援事業(判断能力に不安がある人の日常的な金銭の管理等を行なう事業)など公的機関からの委託事業などさまざまおこなっています。

地域住民が安心安全に生活を送ることができるよう地域住民のニーズをとらえ、それを解決していくための手立てを講じ、実践するところだと考えておくといいでしょう。

そして、地域住民のニーズをとらえ、地域にある資源を活用したり、組み合わせたり、新たな資源を開発したりして、地域のニーズに対応する支援体制を構築する社会福祉専門員をコミュニティソーシャルワーカー(CSW)と言います。
コミュニティソーシャルワーカーは社会福祉協議会に在籍していることが多く、地域の困りごとの解決するために活動しています。

コミュニティソーシャルワーカーの具体的な活動実践について。
例えば
子育てをしている方が「子どもを連れて気軽にでかけられる室内の場所が欲しい」というニーズを持っていたとします。
そのニーズはその方だけでなく、その地域で子育てをしている多くの方々も持っている声だった場合に
どうすればその多くの住民が抱えるニーズに応えることができるかを考えます。

ボランティアの方々に協力してもらって、空き家をリフォームし、
気軽に出入りできるサロンを作るということもできるかもしれませんし
児童館に働きかけ、参加しやすいプログラムを子育て中の方と一緒に考えてもらうこともできるかもしれません。

コミュニティソーシャルワークに正解はなく、また、A市でうまくいったことがB市でも役立てられるかはわかりません。

高齢者が多い地域、子育て世帯が多い地域
交通の便が悪い地域、交通網が発達している地域
坂道が多い地域、海辺の地域
など、それぞれの地域によって、歴史や文化、住んでいる人の特徴、地域資源などが異なります。

そのため、コミュニティソーシャルワーカーの仕事は、活動している地域がどのような地域かを知り、
地域住民がどのようなニーズを持っているか聞いたり、発見したりすることから始まります。

コミュニティソーシャルワーカーは社会福祉士の資格をもって活動をされている方が多いです。
また、京都光華女子大学の社会福祉専攻では、社会福祉協議会に実習に行くことができ、コミュニティソーシャルワーカーの活動を直接見ることができます。

浜内彩乃

Twitterアカウント
@shyakaihukushi


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https://www.koka.ac.jp/welfare/