キャリア

プロジェクションマッピング!

プロジェクション

マッピング!

5月14日に、京都光華女子大学初となるナイトオープンキャンパスが開催されました。
夜のキャンパスを灯して、高校生と保護者達を出迎えたのが、なんと20mを超える巨大スクリーン!
聞光館2階のガラス窓に、在学生50人の笑顔の映像が華々しく映った、
キャリア形成学科の教員・学生が企画・制作したプロジェクションマッピングです。

なぜ、キャリア形成学科でプロジェクションマッピング?そう思われた方もいるでしょう。そこで、制作に参加した
学生有志3人がインタビュワーとなり、担当教員に企画したきっかけや裏話などについていろいろと聞いてみました!
学生たちはキャリア形成学科の2年生で、映像表現に興味を持ち、
映像制作をテーマとする学Booo「I’screem」のメンバーでもあります。

TALK MEMBERS

  • キャリア形成学科教員
    呉(Go)

  • キャリア形成学科2年生
    ももこ(Mo)

  • キャリア形成学科2年生
    きほ(Ki)

  • キャリア形成学科2年生
    みこ(Mi)

Mi

なぜプロジェクションマッピングしようと考えられたのですか。

Go:
今回は初めてのナイトオープンキャンパスなので、何か夜ならではのイベントで高校生と保護者のみなさんをお迎えしたい!と考えてました。そこで、夜といえば、花火!いや、プロジェクションマッピングでしょと(笑)。 夜のキャンパスを明るくする、サイネージ(看板)のようにもなるし、いつものオープンキャンパスでは作り出せない風景を見せるチャンスでもありますしね。五条通りからすぐ見える正門に近い聞光館2階を選んだのも、外から「なになに、なんか光ってるよ」と思いながら、正門をくぐると、「わーー」と驚く――ということも狙いました。
Mi:
うんうん!確かにあの「スクリーン」の大きさに圧倒されました。

Mo

今回のプロジェクションマッピングのアピールポイントを教えてください。

Go:
今回は「笑顔」がテーマだったので、ポイントはなんと言っても、在学生約50人の笑顔を建物のガラス一面に一人ひとり映し出したことです。来場される高校生と保護者の方に、笑顔に満ちた京都光華女子大学を感じていただけたらと考えていました。
建物内部から外へ向けての「リアプロジェクション」なので、外から見るのもいいですが、建物の中からだと自分の影と映像が一体となって楽しめるのもポイントです。

Mo

個人的に電車が出てくるところが面白かったのですが、
そのイメージはどこから降りてきたのか、
制作秘話などがあれば教えてください。

Go:
そうですね・・・実は、電車と映画の歴史は切り離せない関係があると思うんです。例えば、世界初と言われる映画は、列車の到着を撮影したものですからね…ちょっと関係ないか(笑)。けれど、聞光館2階の連なるガラスの窓を見て、みなさんは電車に連想しませんか?
今回、電車をイメージしたのはたまたまでした。ゼミの授業中に、このプロジェクトを説明しながら、マウスを動かしているうちに、電車のイラストができていました。インスピレーションが降ってきたんですかね。そこで、本来では特急が停車しない西京極駅ですが、イラストには「特急」を入れました。誰も気づいてないと思うけど(笑)、こだわりというか、遊びごころですね。
Ki&Mi:
それ、私は気づいてましたよ(笑)
Mo:
えっ?そんなのありました!?
Go:
電車のシーンをもうちょっと長くしてもよかったかな、とも思っていました。
ほかの「秘話」は…ないですね、結構膨大な量のデータなので、毎日黙々とパソコンと戦いながら動画を作っていましたね。

Ki

編集時間はどのくらいかかりましたか?制作で苦戦したことは何ですか?

Go:
そうですね、集中的に作業したのは2・3日ですかね。昼は授業があり、作業は夜しかできないので、一週間くらいかかりましたね。実は、作業に集中すると、そこまで苦じゃないけど、悩む時間と試行錯誤の時間のほうが長かった…去年から考えていたので、一年間悩みましたね(笑)
今回苦戦したことは、意外と見えない部分ですね。メインイメージの笑顔は、みなさんの協力でスムーズに撮影できたので、イメージ通りにできましたが、シーンとシーンをつなぐ部分のモーショングラフィックスは、結構試行錯誤を重ねました。最終形でもやはり気になる部分が残っていましたね。
後は、「解像度」との戦いでしょうか。今回の映像では、14面の窓ガラスに合わせた映像を作るので、みなさんの家にあるテレビ3台を横並びしたような動画を編集する必要がありました。4Kの動画素材もたくさんあるので、本学のメディアラボにあるハイスペックPCでもレンダリングに結構時間がかかりました。

Ki

何のソフトを使って制作しましたか?

Go:
プロジェクションマッピングは、映す内容=映像コンテンツと、映す仕組み=マッピングのシステム、大きく2つの部分に構成されます。つまり、ソフトウェアだけではなく、ハードウェアも必要となります。
今回の映像コンテンツの制作に使用したソフトは、AdobeのPhotoshopとIllustrator、それからPremiereProとAfterEffectsです。前の2つは静止画像を処理したり、モーショングラフィックスの素材を作成したりして、後の2つは動画素材を編集するのと、静止画像をアニメーション化するためのソフトです。
この4つとも、本学の実習室にあるPCにインストールされていて、在学生は誰でも使えますよ。

「マッピング」の部分は、できあがった映像コンテンツを、14面の窓ガラスにピッタリ合うように調整するシステムです。今回使ったのは、madmapperというソフトです。まずは、「横並びテレビ3台分」の映像を3台のプロジェクターに出力し、映像を見ながら、窓枠に合わせていきます。
Mo:
調整の現場にいましたけど、ピッタリ合うときはやっぱり気持ちいいですね。
Go:
そうですね!今回の現場調整は、株式会社デンキトンボさんに協力していただきました。小笠原さんはmadmapper操作の「名人」で、彼の調整作業は本当に速いです。

Ki

費用はどのくらいかかりましたか?

Go:
プロジェクションマッピングは、膨大な機材費と映像制作費がかかるというイメージの通り、実際結構かかります。
今回は、学内のメディアラボのプロジェクターを使っているし、映像は3DCGを入れずに、学生の皆さんに撮影の協力をしてもらって、編集はほぼ一人で行ったので…費用というと、スクリーンとなるガラスに貼るフィルムですかね。
透明なガラスでは映像が透過してしまい、映りません。そこで映像投影に適しているフィルムを貼りました。裏と表両方とも映像が映る半透明のシートです。高価なフィルムなので、株式会社中川ケミカルさんにお願いして、協賛していただきました。
トータルかかった、具体的金額は言いません(笑)

Ki

映像を投影する技術を身につけたいのですが、
初心者は何から始めることが重要ですか?

Go:
投影する技術も当然大事ですが、その前に画像処理や映像の制作技術の基礎を習得するのも大事だと思います。キャリア形成学科では、「コンピュータ活用」などといった基礎を学ぶ授業がいくつかあります。また、みなさんが参加している学Boooの「I’screem」のように、学科を超え、映像にまつわる様々な制作活動を企画し、どんどん経験を積んでいくことも大切な事ですね。。
そして、最も大事なことは、先ほど話した「遊びごころ」ですかね。こどもの時は、よく空を眺めて、「あの雲、クジラみたい!」と声を上げたこと、誰もが経験したと思います。ところが大人になると、それが当たり前に思えて驚かなくなってきたでしょう?
Ki&Mi:
うんうん。
Mo:
確かに!今は勉強やアルバイトで日々忙しくしているので、周りの風景を見る時間が減りましたね。
Go:
それは、実はすごく大事な「想像力」が無くなっているのかもしれません。いつも見慣れている風景、それを絵画のキャンパスや映像のスクリーンと見立てると、いろんなアイデアが生まれてくると思いませんか。そして、それが実現できたら…!と思うと、ワクワクしてきますよね(笑)
Mo:
なるほど!視点を変えて物事を見ることが大事ですね!
Mi:
最後の質問です!キャリア形成学科では、画像処理や映像制作など表現系の科目もたくさんありますが、今回のプロジェクションマッピングを通じて、どのようなメッセージがありますか?
Go:
いい質問ですね。
先ほど、モノを見るには「多視点」が大事ということを言いましたね?現在もそうですが、これからの社会には「マルチ」な人材が必要とされます。
例えば、服を売る仕事では、単に販売の知識と技能だけではなく、SNSで発信する宣伝・広報力も重要となるでしょう。その時に画像処理・映像撮影及び編集の知識と技術がきっと役に立ちます。

みなさんがより幅広い分野で活躍できるよう、キャリア形成学科ではビジネス・ホスピタリティ・ソーシャル3つの領域の専門知識に加えて、+αのスキルを身につけられる学びを展開しています。
Mo&Ki
&Mi:
よくわかりました。ありがとうございました!