それから どれくらいたったでしょうか。
ベルは、せめて 明るいところに 行こうと思いました。
外に出ると、ときどき遊びにいったことのある 建物が 目に入りました。
オープンキャンパスといって、たくさんの人が 大学にくる時、ベルは この建物に 遊びにいったことがありました。
ベルは ふらふらと 建物の中に入り、誰もいない階段を のぼりはじめました。
こうなったら 誰もいないんだから、好きにしちゃえ。
ベルは そう思いました。
でも 2階にあがった時、そんな気持ちは すうっと消えました。
よく知っている 部屋の扉が 開いていたのです。
もしかしたら、なかに 誰か いるかもしれない。
ベルはうれしくて、でも半分どきどきしながら、部屋の中に 飛び込みました。
(続く)