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教員コラム

大学入学共通テストが終わって

31年間続いたセンター入試に代わる「大学入学共通テスト」がこの1月16・17日に実施されました。コロナ禍にもめげず、全国47万人の高校3年生と浪人生が受験したそうです。英語はとりわけ方針決定が混乱を極め、受験準備が大変だったでしょう。民間試験の導入こそ土壇場で延期となりましたが、センター入試と比べて20%増となった総計5000語以上のリーディング量、倍増したリスニングの配点、しかもリスニングの音声が一部1回のみになるなど、おそらく英語に関しては対策に苦慮された方が多かったと思われます。

さて、私はいつも初回授業で「英語に対する思い」を尋ねることにしているのですが、大多数の学生が「英語をペラペラ話せるようになりたい」と回答します。不思議なことに「英語を聞く力をのばしたい」という回答にはまず出会いません。しかし言語習得は通常「聞く」に始まり、「話す」力をつけていく過程をたどります。母語習得と第二言語習得の過程は異なるとはいえ、英語を「聞く」力をつけなければ、コミュニケーションの道具として使いこなすようにならないのは自明の理です。その意味において、リスニングが重視されるようになったのではないでしょうか。

ネットの普及のおかげで、生きた英語を聞く機会は、日々容易に豊富に得られます。リスニングは最も手軽に、「ながら」でもトライできる言語活動ですので、ぜひ今からでも試しましょう。そしてぜひ継続してください。初めは「?」でも、なんとなく聞き続ければ、やがて「!」が実感できるようになります。

                            (木戸)