京都光華女子大学 こども教育学部 こども教育学科 ニュース 【学生ブログ】海外インターンシップを通して

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【学生ブログ】海外インターンシップを通して

学校教育コース4回生のKです。

私は、大学2年の2月に1ヶ月間、海外インターンシップとしてオーストラリアに行ってきました。きっかけは、海外での学校教育に興味があって実際に見てみたいと思ったことと、こども教育学科の先輩が1年前にオーストラリアへ行かれており、その時の話を聞かせてもらったことでした。

オーストラリアでは、KIRRAWEE HIGH SCHOOL(中学1年~高校3年)で日本語教師のアシスタントをしました。授業で日本語を書いたり、発音の見本を見せたり、生徒のテストや作文のチェック、先生が作成した資料のチェックなどをしました。また、絵が得意な方で、それをフランス語の先生が気に入ってくださり、フランス語のテスト作成もお手伝いさせていただきました。

インターン先の学校では、自分で好きな教科を組むシステムになっているので、生徒はとても積極的に日本語の勉強に取り組んでいました。授業では、タブレットを使って学習したり、動画を見たりして、楽しく勉強をしている様子が印象的でした。

この1ヶ月間の海外インターンシップを通して多くの人とコミュニケーションと取り、色々な考えに触れることで、大きな刺激を受けました。また、人のやさしさを実感する時もたくさんありました。

先進国であり、これまで経済成長を続けてきたオーストラリアですが、一方で、貧困、中でも特に、子どもの貧困が問題視されています。経済協力開発機構(OECD)のデータによると、2013年度のオーストラリアにおける子どもの貧困率は13.0%でした。また、オーストラリア人権委員会(Australian Human Rights Commission)が発行したレポートによると、6人に1人の子どもが貧困線を下回って暮らしているという報告もあります。さらに、UNICEF(国連児童基金)のレポートによると、OECD加盟国の中でオーストラリアは、「健康の平等」に関して35か国中27位であり、教育の平等に関しては、37か国中24位となっています。以上のことからすると、オーストラリアにおける子どもの貧困は深刻で、先進国の中でも対応が遅れていると考えられます。

一般的に、環境問題といえばごみ問題、地球温暖化、自然破壊などが思い浮ひますが、私は、今回のオーストラリアでのインターンシップを通して子どもたちの教育環境も大きな環境問題の一つであると考えるようになりました。教育環境を改善していくことは、貧困問題を解決していくためにも重要です。また、教育的な側面だけでなく経済など総合的な側面から問題を捉えていくことが解決のためには必要だと考えています。

私は今、小学校の先生になることを目指して勉強しています。将来、貧困が原因で十分な教育が受けられない児童がうまれないような社会となるように、小学校教師という立場から頑張りたいと思っています。今回のインターンシップは、自分自身の視野を広げ、ものの見方・考え方を深めてくれました。また、外国の視点から日本の教育を見ることで、これまでの問題意識がさらに高くなりました。これからも大学での学びを進め、教育と関連のある社会問題についても深く考えていきたいと思っています。

【KIRRAWEE HIGH SCHOOL(中学1年~高校3年)の生徒との集合写真:右端が筆者】

【KIRRAWEE HIGH SCHOOL(ICT機器を活用した授業の様子)】

【KIRRAWEE HIGH SCHOOL(日本語の授業風景)】

【KIRRAWEE HIGH SCHOOL(生徒との交流会)中央が筆者】