京都光華女子大学 こども教育学部 こども教育学科 ニュース 授業紹介 〈オンライン授業で水栽培をしました①〉

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授業紹介 〈オンライン授業で水栽培をしました①〉

授業担当者としては、オンライン授業において、みずみずしい体験を取り入れたいという切望がありました。そこで、2、3、4年生、それぞれの授業で、目的と方法を変えて、「水耕栽培」に取り組むことにしました。その様子を2回に分けて報告します。

まずは、2年生「保育者論」の授業です。遊び、暮らしの中の一瞬一瞬を子どもと同じ地平で生きる保育者であることを目指すための学びをしています。「保育者論」ではかいわれ大根の水栽培に取り組みました。緊急事態宣言下に限定して開かれた対面授業登校日、履修生は、名前付きの個包装のかいわれ大根の種を持ち帰りました。袋をシャカシャカと振ってなんだか嬉しそうでした。各自、オンライン授業資料を参考に、家庭で水耕栽培を開始します。そして約10日間後、水耕栽培のプロセスで感じたこと、考えたことを写真付きでオンラインレポートしてもらいました。

 

「濡らしたティッシュの上にタネを置いて数時間すると、もう何粒か茶色い皮がめくれて中の種が見えていてびっくりしました。」

「種から芽が出始めると何だか嬉しくなり、毎日欠かさず水やりしました。あっという間に大きくなり、きれいな緑になったかいわれ大根を見てとても嬉しく感じました。」

「成長していくのを見守ることで愛着がわいてかわいく見えてきました。」

「オンライン授業が続き、ずっと家にこもりっきりである私達にとってささやかな毎日の楽しみが増えたような気がする。」「育てている植物を見て、毎日の会話が生まれました。」

 

水を含んだかいわれ大根の種は、刻々と変化を遂げます。芽が出る、伸びる、葉が出る、といったこれらの変化は、前向きな変化であり、見る者に生命の息吹を与えてくれます。自粛生活の中の潤いにもなったようです。さらなる変化を期待して、観察をします。変化を待ち、少しの変化でも心が動きます。この心の動きを家族と共にし、会話となったことがわかります。

 京都大学で保育のエピソード記録法をご指導されていた鯨岡先生は、保育者になるということは、「育てられる者から育てる者へ」転換していくことだと述べ、その過程で体験するエピソードに意味を見出そうとされました。これまで親や教員に「育てられる」存在であった学生が、身近な植物を育てることを通して、期待や心配をしながらもまなざしを向け続け、変化を喜んだ、とレポートしています。こんな経験をして「育てる者」になっていくのですね。

 

「植物を育てるということは、命を育てるということだと教えてもらったことを思い出しました。幼い頃の私は『動くもの=生きている』と思っていたのでものすごく驚きました。」

このような回想をも呼び起こしたかいわれ大根との10日間の経験は、幾重にも感性を揺さぶるものとなったようです。

 

みんなのかいわれ大根を紹介します♪