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教員コラム

色のコラム②「きいろのはなし」

造形・図工系科目担当の下口です。私は絵画作品を制作・発表しています。
色のコラム①はこちら

 

作品を描いていくと、嫌いではないけれど、なんとなく手が伸びない色が出てきます。私の場合はズバリ黄色です。

黄色というのは不思議な色で、光、花の色、実りの秋、僧侶が身につける色…など、豊かさや楽しさ、高貴なイメージに結びつく一方で、「黄ばみ」のような汚れや、嫉妬や不安を象徴するなどとも云われ、肯定/否定両方のイメージを持っています。

 このような二面性をあわせ持つ所が絵にするとき本当に難しくて、ちょっとの加減で汚い感じになる事もあるし、本当に光っているように見えてすごくうれしくなったりします。苦手ながらも魅力的という「にくいヤツ」な存在です。

 さて、写真の絵はトランペットの音をイメージして描いた作品です。週末、色についての本を読んでいたら、カンディンスキーさんという抽象絵画の父とされている画家が、「淡い青はフルート」、「緑はヴァイオリン」といった具合に色を楽器に例えた文章に出会いました。その中で、なんと黄色は「トランペット」でした。…私、オリジナリティ無いかも、とがっかりしつつも、有名人(美術界では本当に有名なんですよ!)と同じで嬉しいような気もしたり、相反する複雑な気持ちです。

〈参考文献 「色の本棚」視覚デザイン研究所編〉