先日、金沢で開催された「第98回日本細菌学会総会」に参加してまいりました。
学会参加の大きな楽しみのひとつは、なんといっても研究発表に触れられることです。
午前の部では、「中・高校生研究発表セッション」を拝聴しました。
不織布マスクやスマートフォンの画面から検出される細菌の調査、さらには岩塩中の微生物研究など、日常生活に密着したテーマからユニークな発想のものまで、全15演題が発表されました。
中高生ならではの柔軟な視点と鋭い観察力に驚かされるとともに、自身の研究意欲も大いに刺激されました。
午後の部では、ワークショップ「健康増進に向けた口腔マイクロバイオーム研究の新展開」に参加しました。
「バイオーム」とは、特定の環境(地域や気候)に生息する生物の集合体を指します。
ゲーム『マインクラフト(Minecraft)』をご存じの方には、なじみのある言葉かもしれません。
最近では、「腸内細菌叢(腸内フローラ)」という言葉をヨーグルトのCMなどで耳にする機会も増えましたが、実は口腔内にも「口腔内細菌叢(口腔内フローラ)」が存在します。
腸内環境と口腔内環境は密接に関連しており、歯周病原菌が大腸がんの発症に関与する可能性も報告されています。
今回のワークショップでは、加齢に伴い口腔内の常在菌の種類が減少するという研究成果が紹介されました。
このように、腸内細菌叢だけでなく、口腔内細菌叢も全身の健康に深く関わっており、
歯科衛生士はこの分野において重要な役割を担っています。
口腔環境を整えることは、全身の健康増進につながる第一歩です。
皆さんもぜひ、「口から健康」を目指してみませんか?