専攻紹介 [健康スポーツ栄養専攻]

スポーツ・栄養教育の両面から
人々の健康をマネジメントする

スポーツ&栄養の学びで、幅広い知識とスキルを修得

健康スポーツ分野

⼀般の⽅からアスリートまで幅広い対象者の健康状態や⽣活習慣に合わせて、適切な栄養素を摂取するための⾷事や栄養補給の⽅法を学びます。さらに、知識を定着させ実践⼒を⾝につける演習・実習も多くあります。健康スポーツ分野においては、健康維持に効果的な⾝体の動かし⽅について、トレーニングやエクササイズを体験しながら実践的に学びます。

健康スポーツ分野 研究テーマ例

陸上競技部への朝食提供

女子大学生の陸上競技選手は、一般の学生と比較して疲労骨折の経験者が多い傾向にあります。そのため、骨を強化するために必要なたんぱく質やカルシウム等の栄養素を多く含む魚と、カルシウムの吸収を助ける栄養素であるビタミンDの摂取量向上を目指し、朝練習後に朝食提供とアンケート調査を実施しました。

[その他の研究テーマ例]

・女子大学生を対象とした月経前
・月経中の主観的月経随伴症状と食欲
・食嗜好の変化に関する調査
・一般女子大学生と女子大学生中
・長距離陸上選手を対象とした月経に関するアンケート調査

食マネジメント分野

栄養士の立場から「食」をトータルプロデュースし、フードビジネス分野で活躍できるよう、メニュー開発に関わる生産から販売・広報活動など、これまでの栄養士の枠を超えた学びを展開します。さらに、海外研修などを通じて、異なる文化や価値観に触れることで、多様な食の展開ができる栄養士の養成につなげていきます。

食マネジメント分野 研究テーマ例

卵アレルギー対応の焼きドーナツを開発

食物アレルギーに関する研究の一環として、卵を使用しない焼きドーナツを考案・調理し、併設の高等学校の食堂で販売。材料の配合や焼き時間・温度などを何度も分析し、理想の味と食感を実現することができました。

[その他の研究テーマ例]

・キハダの葉を利用したお茶やお菓子作りとその抗菌活性の測定
・ヴィーガンレシピの開発と食生活の検討

取得可能な資格・免許状

栄養士

中学校・高等学校教諭一種免許状(保健体育)

健康運動指導士(受験資格)

健康運動実践指導者(受験資格)

公認スポーツ指導者(受験資格)※1

栄養教諭二種免許状

(公認)初級パラスポーツ指導員

専門フードスペシャリスト(受験資格)

フードスペシャリスト(受験資格)

食生活アドバイザー®(2級・3級)

フードコーディネーター(3級)

管理栄養士(国家試験受験資格)※2

※1 受験時、公益財団法人日本スポーツ協会公認スポーツ指導者養成講習会「共通科目IIコース(講習・試験免除適応コース)」免除。

※2 実務経験1年以上。

授業紹介

職人の手仕事を見て体験できる京都の食文化

食マネジメント分野 京菓子の歴史や特徴などを座学で学び、実習では京菓子職人の手仕事を間近で見て、実際に菓子づくりの体験もできます。こうした生きた学びを通して京都の奥深い食文化に触れることで、味・見た目・香りなど五感で味わう感性が身につきます。

ココがおすすめ!

京菓子は菓子の形や色を見て菓銘を耳で聞き、そこからさまざまなイメージを膨らませて食べるという特徴があります。この講義を通して、日本文化の素晴らしさを改めて知ることができ、五感で味わうという素敵な経験ができました。

H.Oさん / 3年生 奈良県立 生駒高等学校出身

健康スポーツ指導法Ⅵ(陸上競技)(中・高保体免許必須科目)

陸上競技の各種目に関して、保健体育科教員に求められる基礎的な運動技能から、生徒が適切に競技を行うための指導法や審判法を習得する授業です。学生自らが身体を動かし、各種目の技術的なポイントを学びます。また講義の終盤では生理学やバイオメカニクスの知識を習得。体の構造を深く理解することで、より効果的な指導方法の定着を目指します。

応用栄養学実習(栄養士必須科目)

ライフステージの各段階や運動時に起こりやすい特有の食生活上の課題について、グループで検討し、栄養マネジメントに必要な知識・技術の活用方法について理解を深めます。授業では、献立の作成や栄養価計算など栄養管理の模擬体験を実施。各症例において、注目する栄養素の評価項目、評価基準、結果の理解など、実践に必要な基本的な技術の習得を目指します。

社会とつながる実践的な学び

JA全農京都とのメニュー開発企画から京都の食文化を学ぶ ~産学連携プロジェクト~

実社会の中での学びを体験し、深い専門性と幅広い視野を身につけるため、全国農業協同組合連合会京都府本部(JA全農京都)との産学連携プロジェクトの展開を予定しています。JA全農京都が運営する「みのるダイニング京都ポルタ店」では、外食産業における国産農畜産物の利用拡大を促進するため、旬の「京野菜」や「京の肉」「京都米」「京都の地酒」など京都の食材にこだわったメニューを提供されています。「京都の食文化」の授業では、みのるダイニングと連携し、京都で生産される旬の食材を使用したメニューの開発などに取り組む予定です。授業の中で、具体的なメニュー開発やみのるダイニングの関係者に向けたプレゼンテーション、マネジメントについて学ぶ機会などを通して、新しい京都の食文化を創造する実践力を身につけます。健康栄養学科では、社会とつながる学びの中で自身が考案した食事を社会に提供する活動にチャレンジできる環境を整えています。

学びのステップ

健康スポーツ分野

&

食マネジメント分野

1年次

健康や運動の基礎理論を学ぶ

健康スポーツ概論

健康づくりのために運動やスポーツがどのように役立つのかを学び、運動・スポーツを行うことの重要性について考えます。

1年次

栄養に関する基礎知識を身につける

調理実習基礎

栄養や健康に関する基礎知識を習得し、調理実習などを通して基本的な食品の取り扱いや調理の基礎を学びます。

2年次

運動やスポーツを科学的理論に
基づいて理解する

スポーツ心理学
健康スポーツ指導法
スポーツ栄養学

運動やスポーツの特性について、理論と実践から科学的に理解していきます。

2年次

ライフステージに合わせた
実践方法を学ぶ

食生活と調理実習
スポーツ栄養学

栄養学の基礎知識と実践法を学び、多角的な視野で栄養管理に取り組む力を養います。さらに、海外研修を通して、グローバルな視点を身につけます。

3年次

科学的根拠に基づいた
運動・スポーツ指導法を習得する

コーチング論
スポーツマネジメント論

コーチング論、スポーツマネジメント論などの科目を通して、高度な科学的知識に基づいた運動・スポーツの指導方法を学びます。

3年次

食をトータルプロデュースする
力を身につける

給食マネジメント実習Ⅰ・Ⅱ

大量調理などの実習を通して実践力を養い、食品製造からフードビジネス(メニュー開発など)まで、食をトータルプロデュースする力を修得します。

4年次

健康教育を実践し、多面的な力を養う

インストラクター現場実習
教育実習(中・高)Ⅰ・Ⅱ

教育実習やスポーツチームへの運動指導などを通して健康・運動・栄養・心理などの多方面から健康教育を実践できる力を身につけます。

4年次

知識と技術を実践に活かす力を身につける

臨地実習
栄養教育実習

給食運営の現場での校外実習や卒業研究を通して、自ら課題を見つけて取り組むことで、社会で必要とされる栄養士の知識を修得します。

資格取得までのサポート

SWIPEしてご覧ください

資格取得サポート

栄養士

1年次~
基礎教育
・自ら学ぶ力、学習習慣を身につける
3年次~
模擬試験
12月:栄養士実力認定試験

健康運動指導士 / 健康運動実践指導者

1年次~
基礎教育
・自ら学ぶ力、学習習慣を身につける
3年次~
実技試験対策
出題分野別対策
フォローアップ講座

・習熟度別クラスで少人数指導

保健体育科教諭(一種) / 栄養教諭(二種)

1年次~
教職・保育職支援センターとクラスアドバイザーが連携し、習熟度に合わせた個別指導
特別講座
3年次~
教員採用試験対策講座
教員採用模試
実技試験対策

就職

就職率100%

※就職率=就職者 / 就職希望者
※2022年3月卒業生実績

就職先

栄養分野

栄養士(サービス分野・医療分野)

食品会社

給食関連企業・外食産業

栄養教諭

など

スポーツ分野

中学校・高等学校保健体育科教諭

スポーツクラブ(栄養・運動指導員)

スポーツ関連企業(商品開発など)

ヘルスケア関連企業

など

その他

教育委員会

保健所・学校

病院・福祉施設

大学院進学

一般企業

など

㈱エクスティード/㈱LAVA International/日清医療食品㈱/富士産業㈱/㈱LEOC/シダックス㈱/㈱塩梅/フジ産業㈱/ハートスフードクリエーツ㈱/㈱グリーンハウス/滋賀県立野洲養護学校/京都市教育委員会/㈱ロマンライフ/㈱はま寿司/佐竹食品㈱/合同製鐵㈱/北おおさか信用金庫/㈱ビッグモーター/㈱パンプキンズコーポレーション/㈱ウッドワン/一般財団法人 日本老人福祉財団 ゆうゆうの里/㈱ドラッグストアモリ/シミズ薬品㈱/陸上自衛隊

※2022年3月卒業生実績

大学院進学者メッセージ

京都教育大学 大学院連合教職実践研究科[大学院進学者]
健康科学部 健康栄養学科 健康スポーツ栄養専攻 2021年度卒業
(京都府立 西城陽高等学校出身)

保健体育の学びを追究し
子どもたちに運動の魅力を伝えたい。

中学校・高等学校教諭一種免許(保健体育)や栄養士、栄養教諭二種免許などの複数の資格が取得できることに魅力を感じて入学。在学中の学びから保健体育教育の理論をさらに深く研究したいと考え、大学院への進学を決意しました。進学先の大学院を決める際には、学科の先生方や教職・保育職支援センターの先生方にさまざまな大学院へ直接連絡を取っていただき、豊富な情報をもとに進路を選ぶことができました。大学院では現役教職員の現場での経験を参考にしながら、教育における諸問題の議論や研究を重ねていくつもりです。そして大学院での学びを生かし、将来は中学校の保健体育科教員になりたいと考えています。中学校での保健体育の授業は、生徒のその後の運動習慣に大きな影響を与えます。運動に苦手意識を持つ生徒にも、体を動かす楽しさを知ってもらえるような指導を行いたいです。

卒業生インタビュー

株式会社LIFE CREATE
健康科学部 健康栄養学科 健康スポーツ栄養専攻 2019年度卒業
(京都府 私立京都明徳高等学校出身)

栄養士の知識を持つ
ヨガインストラクターとして
お客様の健康をトータルに
サポートできる喜びを感じています。

ホットヨガのインストラクターとして毎日のレッスンや店舗業務を行っています。大学では、栄養とスポーツ教育の両面から人々を健康に導くための勉強を行い、栄養士の資格も取得しました。就職活動の際には、栄養士として働くか身体を動かす仕事をするかを悩みましたが、スポーツのインストラクターとして働く上でも栄養士の知識を活かすことができると思い、現在の会社に就職を決めました。実際にヨガスタジオのお客様は、健康維持やダイエットにつながる適切な食に関しても興味のある方が多いため、大学で学んだ栄養の知識やさまざまな献立を考えた経験を活かして食事のアドバイスをすることができています。スポーツ教育の面でも、お客様がレッスン前後で身体の変化を感じ、レッスンを楽しみにしてくださっていると聞いたときに大きなやりがいを感じることができています。今後はヨガ以外にも挑戦しながら知識を深め、いつか自分のスタジオを持つことが目標です。

TOPICS #1 京料理との相違と融合性を学べる「イタリア食文化研修」

京料理とイタリア料理の違いや融合性を理解するための講義や実習を受け、希望する学生はイタリアへ渡航することも可能です。イタリアの調理学校で学びながら、各地域の風土によって熟成されたイタリアの食文化を体感し、「イタリア食調理技能修了証(仮)」も取得できます。

TOPICS #2 オリンピックメダリストの朝原宣治客員教授による特別講義

陸上競技選手でオリンピックメダリストの朝原宣治客員教授による、アスリートの視点からみた運動や栄養に関する特別講義を実施しています。朝原先生の経験や最新のデータに基づく講座で、栄養・運動指導の実践の場で生かせる知識を学べます。

わたしの成長STORY

M.Kさん 4年生
京都府 私立京都光華高等学校出身
Q1京都光華を選んだ理由は?

スポーツと栄養の両面で健康に関する知識や指導力を学べるから。私は保健体育科の教員を目指しているので、子どもたちの健康をスポーツと栄養の観点から守れる指導者になるのが目標です。

Q2教育実習で変わったことは?

本当に教員になれるのか不安でしたが、現場で指導されている先生から実践的なアドバイスをいただいたり、子どもたちと関わる楽しさを感じたりしたことで、不安が消えて前向きになれました。

Q3競技に生きた学びや研究は?

昔から貧血気味だったのですが、栄養学の知識を生かして食生活を改善したところ、貧血が少しずつ解消されていきました。おかげで陸上競技の練習にも、一層打ち込めるようになりました。

Q4学生生活でいちばんの思い出は?

陸上競技部で過ごした時間です。全国で戦えるチームを目指し、同じ目標に向かって切磋琢磨し合える仲間と大好きな陸上に打ち込んだ時間は、一生大切にしたい思い出です。

森本 恵子 教授

学業と部活を両立させながら、教員という明確な目標に向かって努力を重ねる姿には、いつも感心しています。運動生理学や栄養学、スポーツ医学なども熱心に学んでいるので、これからも隣でサポートしていきたいです。