ニュース

授業紹介

KHプロジェクト 和菓子調理実習報告 part2.

KHプロジェクト和菓子調理実習の授業の様子を前回に引き続きご紹介します。
学生さんのレポートをお読みください。

(H.O.さん)
 材料や道具の少ないことや工程がシンプルであることが分かりました。
しかし、シンプルであるからこそ、白あんにシロップを少量ずつ加えるというような1つ1つの作業の細かな調節が必要で、見た目以上に難しく、一人前にできるようになるまで相当な時間が必要だと感じました。
 京菓子を生地から作ることを見ることは初めてで、本当にいもから作られていることや、添加物を含んでおらず、自然な素材であることも分かりました。

   
 先生の作られた京菓子の数々

 

 京菓子を実習して、作業工程は蒸したり、潰したりと基本的な動作でしたが、いざやってみると少しの力加減で形が崩れたり、うまく丸められなかったりとすごく難しく感じました。
 使う道具は少ないですが、手首や指先などさまざまな部位を器用に使ってあの美しいお菓子になることを知り、この実習の授業を通して青山先生など京菓子職人さんの凄さを実感しました。 

 私は「しぼり」という技を使ったお菓子を作りましたが、布で絞ると布のしわが素敵なデザインとなり、指で押さえることや、布で絞っただけとは思えないような美しさでした。しかし、3色のあんを均等に分かれるように平らにすることも難しく、うまく配分ができませんでした。また、あんを包むことも難しく、先生がやっておられるのを見ると簡単そうに見えましたが、外の生地とあんが包まれず、またお尻を閉じてもあんが溢れてしまいました。


 自分で作ったしぼり

 試食してみると大変美味しくて、甘さ控えめなあんの味が口いっぱいに広がって幸せな気持ちになり、また、秋の風景のような京菓子で、耳でも目でも楽しむことができました。

「こなし」を家にもって帰り試食しましたが、しっとりとしていて白あずきの味が上品で、これだけでも十分美味しかったです。白あずきは、めったに食べることのできない貴重なものなので、このような機会に試食ができてよい勉強になったし、大人の味を知ることができました。

 京菓子は使う材料も道具も少ないが、厳選された最高の食材を使用して、修行を重ねた職人さんが1つ1つ丁寧に作られるからこそ、あの小さなお菓子で人を喜ばせたり、おもてなしができることを学びました。そのような魅力がいっぱい詰まった京菓子を、学生の間に知ることができて本当によかったです。貴重な時間でとても良い経験になったし、改めて日本の技術の高さやおもてなしの心を感じることができました。
 素敵な時間をありがとうございました。

 

(Y.O.さん)  
 今回の授業で初めて白あずきの存在を知りました。
いつも食べていた白あんは豆から作られていたものが多かったのですが、今回は小麦粉を入れたので、もちっとした食感がおもちのようで癖になる美味しい味わいでした。
 小豆を蒸して、砂糖を加えればあんは出来ると思っていたので、この美味しさを出すために、1度水気を飛ばし、冷ましたり、足す水分量を調節したり、蒸むらができないよう小分けにして、さらに蒸して1晩寝かしたりと、手間と時間がかかっていることを初めて知りました。
 「こなし」やつくねいものきんとんなどを作るためには最低2日間は必要であり、和菓子は洋菓子よりも作るのが難しいと思いました。
また、春夏秋冬のひとつから考えられたデザインの和菓子を、さまざまな器具を生かしてひとつひとつ手作りされている姿を見て、和菓子への愛情を感じました。

 和菓子のために時間をかけて最高のものを作っていることを知り、夢中になれるものがあることは素晴らしいと思いました。
 実際に自分で和菓子を作ってみてあんは直ぐに乾燥してしまうので、手の水分を保ちつつ素早く作る大変さが分かりました。さらに、あんの厚みが均等になるように平らに伸ばしても、手の凸凹で着色されたあんが、微妙に包んだあんを透かし、力の加減が難しかったです。また、色の違うあんを混ぜてグラデーションにする際も指先の力の加減や方向で、徐々に薄く広がっていくようにするのも難しかったです。中でも花びらを作るのに木のヘラに力を加えるのではなく、和菓子の方を手首だけで手前や奥に動かし一周するのにコツがいりました。私は中心部がずれてしまい、均等の花びらにはなりませんでした。

 完成品を班のメンバーと見せ合い、手作りならではの世界にひとつしかない和菓子だなと思いました。
今回の実習からあんを2色混ぜるだけでも華やかに見えるため、グラデーションを使った和菓子を作りたいと思いました。


 工夫してみました

 

Part1に引き続き、レポートを読んでくださりありがとうございました。しっかりと和菓子の実習に取り組んでいる様子が伺え、担当教員一同嬉しく思っています。
担当教員からのコメントです。

 和菓子づくりを通して京都の伝統文化を知るよい機会になったと思います。教養としての知識だけでなく、菓子づくりそのものにも興味をもって頂ければ、管理栄養士の仕事の幅も広がって行くと思います。得られた知識や技術をもって、新しい食品の開発にもつなげていきましょう。(吉川)

 教員の私もはじめて和菓子作りを学び、皆さんと一緒に「しぼり」という技にチャレンジしてみましたが、形と色のバランスをとることがとても難しく、技術の高さを思い知りました。来年前期に予定している本授業では、学生の皆さんに若い創造力を発揮していただいて、今回の知見を基にした新たな機能性和菓子や様々な形態の食品作りを行っていただきたいと思います。(水道)

part1
もぜひご覧ください。 https://www.koka.ac.jp/dietitian/news/1563/