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2023.11.17 授業活動「食文化演習」で宇治茶を堪能
こんにちは!フード分野担当の桑島です。
フード分野の授業の一つ、「食文化演習」では、各国の料理や日本の行事食について実際にお料理をしながら、食文化や料理の特徴・料理のコツなどを学びます。先日の授業では大学を飛び出して、宇治で玉露茶を体験してきました。
京都にいると宇治茶は身近なのですが、お茶って各地に名産がありますよね。ふと、日本茶の三大銘茶ってどこよ?とググってみました。すると、「色は静岡、香りは宇治(京都府)よ、味は狭山(埼玉県)」と昔から言われているのだとか(昔っていつ?とのツッコミはなしで!いつからかはわからないのですが、この言葉は農水省のHPでも紹介されています)。現在のお茶の主要産地は、①静岡県②鹿児島県③三重県④京都府⑤福岡県で、上位3県で全国栽培面積の約7割を占めるそうです(農水省統計)。
香りが良いとされる宇治茶。香りがよくなる秘密は2つあります。
1つ目は、お茶の葉の栽培法。お茶の葉を光をさえぎって育てることで、鮮やかな緑色と独特の香り・まろやかなうま味や甘味のある高品質なお茶ができます。この栽培法を「覆い下栽培」といい、16世紀後半に宇治で開発されたそうです。
2つ目は、お茶の葉の加工法。18世紀半ばに宇治で開発された「宇治製法」は、蒸して手でもみながら乾燥させる製造法で、深いつやのある緑色の茶葉ができあがります。それまでは煎ってもんで乾燥させていたそうですから、製造加熱温度が異なると香りも変わりますよね。
この2つの技法が合わさって作られたのが高級茶の「玉露」です。すなわち、宇治は玉露の発祥地でもあるのです。
ちなみに、この「覆い下栽培」と、宇治製法の「蒸し・もみ・乾燥」は、宇治から日本全国に広まり、今では日本茶製法のスタンダードになっています。
さて、今回宇治の茶屋で体験させていただいた玉露茶は、宇治白川地区で栽培されたお茶のみを使ったかなりなレアものでした!!一般には、茶師と呼ばれる方々が、様々な茶葉をブレンドして「その店のお茶」を作っていきます(この工程を製茶といいます)。ですから、いわゆるシングルオリジン玉露茶をいただいたことになります。
適度に冷ましたお湯で入れた一杯目は、とろりと甘くうま味も強い、まるでおだしのよう。参加した学生さんたちも慣れない味に少々戸惑っているようでしたが、二杯目・三杯目・・でようやく普段飲み慣れたお茶の味かな~などと言いながら、最後はお茶の葉に昆布・タラの燻製・ゴマ塩を混ぜて、おかずのようにしていただきました。
普段はペットボトルが主流で、お茶の葉を使ってお茶を入れることも少ないかも・・と話す学生たち。そう言われると私もそうかな・・・。お茶自体の健康機能性についてさまざまな研究がなされていますが、抗ストレス作用やうつ病にも効果があるという研究報告もあります。
皆さんも、たまにはお家でゆっくり日本茶を淹れて、リラックスする時間をお過ごしくださいませ。
急須に1人分の玉露が入りました
店主こだわり南部鉄瓶のお湯を湯冷ましに入れて適温まで冷まし、急須に注いで蒸らします。
写真の湯呑には一杯目の玉露茶が入っています。
あとは好きにお湯を足して飲みます。
お茶を愉しんだら、おかずのようにして最後まで茶葉をいただきます。
茶葉の栄養をまるごといただき、ゴミもださない!ある意味エコですね~