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2025.04.30 専門分野コラムウェディングブーケのおはなし① 花言葉
こんにちは!ライフデザイン学科教員の菅尾です。
今日は、ウェディングブーケと花言葉についてご紹介したいと思います。
西洋では、ウェディングブーケはブライダルアイテムの中で最も大事なアイテムのひとつです。例えば、英国王室の公式ホームページ ’The Royal Family’ で紹介される、ウィリアム皇太子のロイヤルウェディング特集では、結婚式当日についての説明の冒頭4文目で、王室に入る花嫁がどんなブーケを持っていたのかが説明されています。
- Miss Middleton carried a bouquet of myrtle, lily-of-the-valley, sweet William, ivy, myrtle and hyacinth. -
「ミドルトンさんは、ギンバイカとすずらん、スウィート・ウィリアム、アイビー、ヒヤシンスでできたウェディングブーケを持っていました。」
当時王子だったウィリアム皇太子は2011年4月29日、現在の皇太子妃であるキャサリン・エリザベス・ミドルトンさんと結婚されました。この日にミドルトンさんが持たれていたブーケについて、ちょっと詳しく見てみましょう。ひとつのブーケにたくさんの意味が込められていることがわかると思います。
さて、ひとつ目はギンバイカです。イギリスではマートルと呼ばれ、1840年にヴィクトリア女王がウェディングブーケに用いたときから王室の結婚式で伝統的に用いられてきました。梅に似たかわいい白い花を咲かせるため、和名では「銀梅花」といわれています。花言葉は、「祝福」「愛」「高貴な美しさ」。特別な1日にふさわしい素敵な花言葉ですね。
ところで、みなさんは、「すずらんの日」をご存知ですか?「すずらんの日」は、5月1日に愛する人や家族にすずらんをプレゼントして春の訪れを祝う、ヨーロッパの伝統的な記念日です。ちょうど今の時期ですね!この記念日は、16世紀ルネサンスの時代に、フランス国王シャルル9世が、「幸運のお守り」としてすずらんの小束を受け取ったときに幸せを感じられたことから、毎年この日に宮廷の女性にスズランをプレゼントすると決められたのがそのはじまりだといわれています。こんなあたたかいエピソードを持つすずらんは、ウェディングブーケとしてもとっても人気!でも花が咲くのは4~5月の間ととても短く、よっぽどの幸運に恵まれないと持つことが叶わない貴重なお花です。そんなすずらんの花言葉は、「幸福の再来」「純粋」「謙虚」です。幸福をもたらす花嫁を表しているようにも感じられるのは気のせいでしょうか。
このほか、ブーケにはウィリアム皇太子の名にちなんだ美女撫子「スウィート・ウィリアム」、結婚式には欠かせない葉物のアイビーも使われました。美女撫子の花言葉は「純粋な愛情」「勇敢」「細やかな想い」、アイビーの花言葉は「永遠の愛」「不滅」「結婚」。まさに、ロイヤルウェディングにぴったりですね!
では最後に、ヒヤシンスを見ておきましょう。ヒヤシンスは、色ごとに花言葉が異なるお花です。ロイヤルウェディングで使われたヒヤシンスは白色ですね。白いヒヤシンスの花言葉は、「控えめな愛らしさ」「心静かな愛」。ブーケを持たれたミドルトンさんのお人柄が感じられてきます。
このように、ウェディングブーケに使われる花材をひとつひとつ見てみると、全てに意味があって、その家の伝統が受け継がれていたり、結ばれる2人の思いがこめられていたりすることがよくわかります。結婚が、家同士の結びつきであること、2人の絆を確かめ合う文化であることを映しだしたもののひとつが、ウェディングブーケなのですね。
今日は、英国王室のロイヤルウェディングを例に、ウェディングブーケと花言葉についてご紹介しました。この記事で扱った花言葉はAND PLANTS MAGAZINEで紹介されています。ほかにもたくさんの花言葉が載っているので、好きなお花を見つけて、ぜひご自分の好きなウェディングブーケに思いを巡らせてみてください。それでは、またお会いしましょう!