子どもから高齢者、災害時にいたるまで
多様な現場で活躍できる作業療法士を目指す

作業療法専攻

看護福祉
リハビリテーション学部

福祉
リハビリテーション学科

子どもから高齢者、災害時にいたるまで
多様な現場で活躍できる作業療法士を目指す

共生社会を支える人へ

作業療法士とは、食事や料理などの日常生活から仕事や趣味までさまざまな活動に関する困難を、身体·精神の双方から支援する専門職です。本専攻では作業療法士と保育士資格のダブル取得が可能。3つのプログラムで専門性の高い人材を目指します。

学びの特色 Features


多様な対象者に寄り添う3つのプログラム

本学科では多文化共生社会を担う医療人の育成を目指し、3つのプログラムを設けています。作業療法士の資格に加え、保育士あるいはキャンプインストラクターのダブルライセンス取得を支援。作業療法+αの学びを実施し、学生が将来多様な働き方を実現できるよう応援しています。

子どもの心・体・生活を支援する 子ども発達支援プログラム

子どもの発達障害に強い作業療法士を養成。作業療法士・保育士資格のダブル取得で、子どもの特性を生かした作業療法等を通し、子どもと家族を支援する力を身につけます。医療的ケア児の支援や発達支援キャンプのリーダーといった進路も目指せます。

《主要科目》

子どもの作業療法/小児の障害と臨床医学/発達期作業療法学/仏教の人間観 など

《課外活動》
子ども料理教室/キャンプ体験/野外リクリエーション など
《目指す資格》
作業療法士/保育士(資格支援)/キャンプインストラクター

PICK UP

日本に13人しかいない専門作業療法士(特別支援教育)が在籍
実践的な子どものリハビリテーションを学べる

通常の作業療法に加え、子どもたちの自発性を育み、成功体験を積むことのできる“遊び”や“料理”“音楽”などを通した作業療法で、子どもの「こころ」「からだ」「生活」への支援に必要な力をさまざまな角度から学びます。また、日本に13人しかいない専門作業療法士(特別支援教育)の1人が専任教員として在籍。子どもの発達障害に強い作業療法士を養成します。
※2025年3月時点。

世界で活躍する 国際医療プログラム

シンガポール工科大学への短期研修を通じ、英語や国際リハビリテーションを修得。仏教精神に基づく人間教育を軸に、海外での活躍や日本にいるさまざまな国籍の方へのリハビリなど、国際医療に携わる作業療法士を目指します。

《主要科目》

国際リハビリテーション/総合英語/仏教の人間観 など

《課外活動》
国際交流サークル/English Camp など
《目指す資格》
作業療法士/医療英語検定

PICK UP

海外の大学での病院見学実習を体験 国際リハビリテーションを学び、世界で活躍できる作業療法士に

グローバル化の中、作業療法は多様な国籍や文化を持つ人々を対象にし、国際的な専門職とも協働します。だからこそ、本学では医療福祉や教育現場だけでなく、民間企業や国際機関で活躍できる人材を育成することに注力しています。国際リハビリテーションの授業では、オンライン授業の受講に加え、シンガポールへ渡航して英語での授業や、現地の病院見学実習に参加。海外の作業療法を学ぶ学生との交流も行い、より広い視野と国際的な視点を身につけます。
※希望者のみ受講。

野外活動や救急救命時に活躍する 野外救急・アウトドアスポーツプログラム

キャンプ実習などの現場体験から安全管理と応急処置を学びます。救命のスキルを生かし、災害やアウトドア、スポーツ中など怪我の発生しやすい場面に活躍する作業療法士を目指します。

《課外活動》
キャンプ体験/野外レクリエーション/野外スポーツ/野外クッキング/防災・災害体験 など
《目指す資格》
作業療法士/キャンプインストラクター/初級パラスポーツ指導員/応急手当普及員

PICK UP

地域災害リハビリテーションや安全危機管理を学び、災害支援の場で活躍できる作業療法士に

作業療法士の視点は、さまざまな災害支援の場でも必要とされ、有事の際に活躍できる作業療法士への期待が高まっています。地域災害リハビリテーションの授業では、避難所でのダンボールベッドを使用した就寝や災害料理の体験を通して、災害への備えや災害支援において、臨機応変に対応できる力を習得します。

取得可能な資格・免許状


作業療法士と保育士のダブル取得が可能!

  • 作業療法士(国家試験受験資格)
  • 保育士資格※1
  • 初級パラスポーツ指導員※2
  • キャンプインストラクター(申請予定)

※1 資格取得支援
※2 他学科の教育課程を受講することで取得可能。


「作業療法士」ってどんな
仕事?

「こころ」と「からだ」のリハビリテーション専門職

“作業”とは「食事」「料理」「服を着る」「字を書く」など、人が関わるすべての諸活動のことを指します。作業療法士は、病気やけが、認知症など、さまざまな要因で“作業”が行えなくなった方を対象に治療を行う専門職で、身体的機能だけでなく、「精神」に対しても治療を行います。

対象者 仕事内容
作業療法士 身体または精神に障がいがある方 基本的動作能力・応用的動作能力(例:入浴、歯磨き、文字を書く等)社会的適応能力の維持・改善に向けた治療・指導・援助
理学療法士 身体に障がいがある方 基本的動作能力(例:立つ・歩く・座る等)の回復や維持および障害の悪化の予防

「作業」とは?

食べたり、お風呂に入ったり、
歯磨きをしたり...
人の日常生活に関わる
全ての諸活動を「作業」
と呼んでいます。

  • 日常的な
    生活行為
  • 仕事
  • 家事
  • 地域活動
  • 余暇

など

作業療法の目標

作業療法は「その人らしい」
生活の獲得を目標に
「基本的動作能力」「応用的動作能力」
「社会的適応能力」の維持・改善を
図ります。

「基本的動作能力」

運動や感覚・知覚、精神・認知などの心身機能

「応用的動作能力」

食事やトイレ、家事などの日常で必要となる活動

「社会的適応能力」

地域活動への参加、就学・就労

作業療法の対象:
人生のあらゆるステージ

  • こころ 統合失調症、気分(感情)障害 など
  • 発達期 脳性麻痺、注意欠陥・多動性障害、
    ダウン症候群 など
  • からだ 認知症、骨・関節障害 など
  • からだ 脳卒中、脊髄損傷、高次脳機能障害 など

作業療法士の活躍の場

医療や福祉・介護の現場はもちろん、
保健・教育・就労支援など
社会のあらゆる場所で活躍できます。

  • 医療:病院/クリニック…
  • 福祉:児童発達支援センター…
  • 介護:介護老人保健施設/デイケア…
  • 労働:ハローワーク/就業・生活支援センター…
  • 保健:保健所/地域包括支援センター
  • 教育:特別支援学校/教育委員会…
  • 司法:医療刑務所/保護観察所… など

4年間のカリキュラム curriculum


  • カリキュラムをみる
    1. 1年次

      医療人としての基礎を培う
      基礎科目を通して、作業療法や多職種連携の土台を築きます。
      専門基礎科目
      • 基礎ゼミⅠ・Ⅱ
      • 専門職の連携(基礎)
      専門科目 作業療法の基礎
      • 人体の構造と機能Ⅰ・Ⅱ
      • 人体の構造と機能演習Ⅰ・Ⅱ
      • 人間発達学
      • 臨床医学総論
      • 社会福祉の原理と政策Ⅰ
      • 運動学
      • 内部障害と臨床医学

      実習

      見学実習[2月(1週間)]

      作業療法士の仕事を体験する

      臨床現場で働く作業療法士の仕事を見学し、1年次で学んだ知識をもとに医療従事者としての心構えを養います。

      国家試験対策

      復習を繰り返し行い、学習の習慣化を図る

    2. 2年次

      専門知識を応用し、多職種で連携する力を磨く
      個々の生活背景に応じた支援を学びます。知識を応用し、多職種との連携でチーム医療を実践します。
      専門基礎科目
      • 医療福祉連携論
      • 障害者福祉
      • 日常生活支援学
      • 仏教と医療福祉Ⅰ
      専門科目 作業療法の基礎
      • 臨床心理学
      • 精神障害と臨床医学
      • 神経・筋系障害と臨床医学
      • 公衆衛生学
      • 小児の障害と臨床医学
      • 身体機能作業療法学Ⅰ~Ⅲ
      • 老年期の障害と臨床医学
      • 栄養学
      • 安全管理と救急処置
      作業療法の展開
      • 作業療法評価学
      • 認知症の作業療法
      • 高齢期作業療法学
      • 子どもの作業療法
      • 身体機能作業療法学Ⅰ~Ⅲ
      • 国際リハビリテーション
      • 地域・在宅作業療法学Ⅰ
      作業療法の応用
      • 作業療法評価学演習
      • 高齢期作業療法学演習
      • 日常生活支援学演習Ⅰ
      • 身体機能作業療法学演習Ⅰ・Ⅱ

      実習

      地域実習[9月(1週間)]

      作業療法の地域での役割を知る

      通所リハビリテーション、訪問リハビリテーションで実習。地域生活をより良いものにするための工夫を学びます。

      国家試験対策

      国家試験対策を繰り返し行い、イメージを高める

    3. 3年次

      長期の実習で実践力をさらに磨く
      各プログラムの専門科目や総合臨床実習が開始。多職種連携に必要なスキルや専門性を深めます。
      専門基礎科目
      • 包括的ヘルスケア論
      • 生命倫理
      • 地域災害リハビリテーション
      • ターミナルケア
      専門科目 作業療法の展開
      • 作業療法管理学
      • 精神機能作業療法学
      • 発達期作業療法学
      • 義肢装具に関わる作業療法
      • 京都伝統文化作業技術論
      • 地域・在宅作業療法学Ⅱ
      作業療法の応用
      • 精神機能作業療法学演習
      • 発達期作業療法学演習
      • 身体機能作業療法学演習Ⅱ
      • 終末期作業療法学

      実習

      評価実習[11~12月(4週間)]
      総合臨床実習Ⅰ[1~3月(9週間)]

      作業療法を実践する

      評価実習では、患者様の診断を見学しながら、リハビリ計画に必要な評価技術の習得を目指します。総合臨床実習Ⅰでは、実際に治療プログラムを計画し、実際の作業療法を実習します。

      ☆通常4年次に実施する実習を3年次から行い、早期から国家試験対策に集中できます。

      国家試験対策

      臨地実習を通じて専門科目の学びを深める

    4. 4年次

      卒業研究と国家試験対策で夢へ前進
      他学より国試対策に集中できるのが本学の特徴です。4年間の学びを完成させます。
      専門基礎科目
      • 仏教と医療福祉Ⅱ
      • 専門職の連携(応用)
      専門科目
      • 卒業研究
      • 総合作業療法学

      実習

      総合臨床実習Ⅱ[5~7月(9週間)]

      作業療法士の多様な役割を理解する

      これまでの実習で得られた知識・技術をもとに、病院・施設で指導者のもと、一連のリハビリテーションの過程を実践し、多職種との役割分担を学びます。

      国家試験対策

      グループ学習で知識の定着を図る

    ※上記は開講科目の一例です。カリキュラムの内容については一部変更になる場合があります。

    主な実習先

    国立大学附属病院や公立病院、大規模総合病院から介護・福祉・児童施設までの多彩な実習先

    洛和会音羽リハビリテーション病院、武田病院グループ、京都大原記念病院、京都桂病院、京都民医連中央病院、滋賀医科大学医学部附属病院、総合福祉施設修徳、介護老人保健施設、訪問看護ステーション、児童福祉施設など多数

授業紹介


  • 化粧療法を用いたアピアランスケアを実践的に学ぶ

    メディカルメイクセラピー

    アピアランス(外見)の変化が起きた際に行うケアをアピアランスケアと言います。本学では、“その人らしい生活”を送るための支援のひとつとして化粧療法(メディカルメイクセラピー)を学びます。

  • 美容や活動に必要な筋力について考える

    運動学

    運動の力学的な観点、運動に必要な筋・骨格系、神経系、姿勢、歩行について学びます。例えば、「美容と筋力」で考えると筋力トレーニングが美肌に貢献するなどの研究も報告されています。姿勢の安定性も平衡機能計を使って計測します。

  • 日常生活に関わる生理機能を理解する

    人体の構造と機能演習Ⅱ

    血圧や心拍数、心電図、呼吸機能など、代表的な生理機能を測定する実習をグループごとに実施します。人体の生理機能を深く理解するための基礎知識や洞察能力を養います。

  • 災害時のリハビリ支援を実践的に学ぶ

    地域災害リハビリテーション

    医療と福祉の分野にわたるリハビリテーション支援。各職種の関わり方を学び、キャンプ実習で災害時の支援活動を体験します。また、国際基準に基づく支援の質と説明責任について学び、支援のあり方を理解します。

学科トピックス TOPICS


  • 日本に13人しかいない専門作業療法士のもとで学ぶ、子どもの発達支援

    日本にわずかしかいない専門作業療法士(特別支援教育)が在籍する本専攻では、併設の幼稚園・小学校と連携し、子どもの発達支援を専門的に、そして実践的に学ぶことができます。例えば、骨や筋肉、関節など運動器の機能低下によって日常生活に支障をきたす「子どものロコモティブシンドローム」の研究では、実際に成長期の小学生の体成分・運動機能の測定を実施。最先端の環境を生かした専門的な研究が進められています。
    ※2025年3月時点

  • 授業外でも充実した学習支援システムと教員による手厚いサポート

    骨格模型を使用し、実際に手を動かしながら筋肉のつながりと骨格の仕組みを楽しく学ぶ解剖学塾や、親睦を深めつつレポート対策も行う定期的なクラスミーティングなど、授業外でも学習支援システムが充実しています。いつでも質問や相談ができる研究室の雰囲気や、1年次からの教員のサポートは本学の強み。教員と学生の距離感の近さを活かした手厚い指導により、一人ひとりに寄り添った学習を実現します。

  • 京都・滋賀トップレベルの専門職養成体制
    他学科との多職種連携教育が充実

    作業療法士が向き合う人は、複数の疾患や問題を併せ持つことがあり、さまざまな面からの援助が必要な場合があります。そのため、看護師をはじめ、理学療法士、言語聴覚士、管理栄養士、公認心理師、学校教員や保育士などとの連携が不可欠です。本学の保健・医療・福祉分野の専門職養成の幅の広さは京都・滋賀地区トップレベル。さらに、同一敷地内に幼稚園から高校までを設置しているため、より実践的な多職種連携教育を行うことが可能です。

苦手分野を克服し、
一人ひとりを合格に導く
早期臨床実習・国家試験対策

■早期の試験対策で合格へ
他の養成校とは異なり、本学では総合臨床実習を3年次に実施。4年次に国家試験対策に集中できるよう工夫しています。

■教員2人体制でのクラス担任
1年次から1クラスあたり2名の教員が担任となり、放課後には個別支援も実施するなど、一人ひとりの学習状況に寄り添ったサポートで国家試験合格に導きます

4年間のプログラム

スペシャリストを養成する学習環境

大学、短期大学部のすべての施設が学びのフィールド。作業療法士養成の最新の設備が整備された学習環境です。

  • 新棟と慈光館

    福祉リハビリテーション学科のコモンズや先生方の研究室があり、作業療法専攻の学びの拠点となるのが慈光館です。また、新棟には学内実習を行う作業療法実習室や日常生活活動訓練室、フィットネスなどがあります。
  • 日常生活活動訓練室

    主に解剖学、生理学、運動学を学習する教室。さまざまな機器(トレッドミル、自転車エルゴメーター、心肺運動負荷モニタリングシステム)で実験を行い、ヒトの生体反応についても学びます。
  • 作業療法実習室

    実際に体を動かす治療や訓練を学ぶ教室。乳児期・幼児期における発達段階を学ぶため、さまざまな遊具等を設置しています。
  • 評価実習室

    ハンディを持つ人の日常生活行動を学ぶ教室で、バス、キッチン、トイレなどの標準的な家庭の設備があり、対象者が快適な生活を送るための実践的な授業を行います。
  • ドライブシミュレーター

    運転に必要な身体機能の確認を行うことができ、自動車運転に対するリハビリテーションを学びます。
  • コモンズ

    福祉リハビリテーション学科の学生同士が学び合い、教員とも気軽にコミュニケーションを取ることのできる空間です。

在学生の声 STUDENT VOICES


My Well-Being Goal障がいの有無にかかわらずすべての人が必要とされる社会

1年生 I・K さん

京都府 私立京都成章高等学校出身

高校3年生のときに見つけた作業療法士になる夢を追う日々

「人の役に立ちたい」と医療系への進学を考え、作業療法士という職業と出会いました。新設された作業療法専攻では、真新しい設備を使えるのも魅力。演習も実践的で、楽しく学べます。

生活に困難を感じている人を思いやりの心と技術で支えたい

助け合いや思いやりなど、仏教の人間観を学べるのも京都光華ならでは。作業療法士として思いやりの心で患者様の立場から、日常生活に困難を感じている方を1人でも多く支援したいと思っています。

SPECIAL PROGRAMものづくりを通した学びと社会貢献ができる

あかりづくり

作業療法技術演習では、ものづくりを通して道具や身体の使い方について考え、作業中の集中力やコミュニケーションといった脳の働きについても学びます。また、社会貢献活動として、子どもの描いた絵を手作りのあかりにして、子どもホスピスなどの施設に寄付しました。

目指せる進路 CAREER PATH & SUPPORT


作業療法士は、医療や福祉の現場はもちろん、保健・教育・就労支援など、社会活動の現場でも幅広く活躍しています。

  • 児童発達支援センター
  • 職業センター
  • 特別支援学校
  • 一般企業(福祉用具開発メーカー等)
  • 医療施設(病院)
  • 介護保健施設 など
目指せる進路の図

現場で活躍する方の声


  • 現場で活躍中の本学教員

    作業療法士 京都民医連中央病院
    看護福祉リハビリテーション学部 福祉リハビリテーション学科 作業療法専攻 講師
  • 現場で活躍中の本学教員

    作業療法士 訪問看護・リハビリステーションわたぼうしWEST
    看護福祉リハビリテーション学部 福祉リハビリテーション学科 作業療法専攻 講師
  • 作業療法士 株式会社ハッピーサービスグループ
    発達支援リハスタジオ
    ハッピーリングplus

教員メッセージ PROFESSOR'S MESSAGE


森本 かえで教授

人間として豊かに生きる力と慈悲の心を養う

人生のあらゆるステージにある方が生き生きと過ごせるよう、心と体を支える方法を学びます。患者様だけでなく作業療法士自らが豊かな人生を歩むための知識も修得。慈悲の心を持って人々に寄り添い、成長し続ける医療人を育てます。