2026.04.13

進化とヒトの心4(教員ブログ:上田Dr)

読者の皆さんこんにちは。長かった冬が終わり、ようやく春がやってきました。いかがお過ごしでしょうか。

前回「進化とヒトの心3」で、「あまりに広い内容なので、終わるかどうか不安になってきました。」と書きましたが、そもそも書き始めたことを忘れていました。。。楽しみにされていた方がいらっしゃったらすみません。

前回うっかりというか、勇んでしまって進化心理学の話をご紹介しました。我々の「心理機能・精神機能」は、進化的に有利であったために進化の過程で消えてしまうことがなかった、ということを様々な精神機能について明らかにしていく学問です。
読み返してみたのですが、ちょっと駆け足すぎる感じがあるので、このまま精神機能の話に突き進むより、まずはもっと一般的な進化と我々の身体機能、あるいは疾患(病気)との関係について、紹介するほうが分かりやすいのではないかと考えを改めました。

そこで、まず、味覚のことをご紹介したいと思います。
食事をする、ということは生き物にとって必須のことです。食べたり飲んだりしなければ、生き物は死んでしまいます。私たちは、飲み食いを普通にすることにあまり疑問を感じていませんが、そもそも私たちはどうして飲み食いをするのでしょう?
答えは簡単ですね。「お腹がすき」「のどが渇く」からです。お腹がすく、のどが渇く、ということは我々の欲求をドライブします。この場合は食欲を後押しします。こういう生体内で生じる動機づけの要因を、「動因」と呼び、環境からの要因を「誘因」と呼びます。お腹が減っているときに(動因)、おいしそうなコロッケ屋さんを見つけて(誘因)、年も考えずつい買い食いしてしまった(行動変化)、というような場合ですね。

「のどがかわく」「お腹がすく」ということは、そうしてみると、ヒトを含め、動物が生き延びるのに重要な仕組みといえます。私たちヒトは、「今日は友達とおいしいディナーを予約しているから、今はちょっとお腹減ってるけど我慢しておこう」とか考えます。つまり、「食べなさい」「飲みなさい」という体からの指令に、ちょっと待ったをかけることがあります。逆に、ヒト以外の動物の場合は、「ちょっと今日は水分が足りないから」水分をとっておこう、というようなヒトのような考えはありませんから、「のどがかわいたら」「水分をとる」ということがセットになってくれないと死んでしまうわけです。すみません、味覚まで行きませんでした。。。この続きは次回。

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