京都光華女子大学 看護福祉リハビリテーション学部※ 福祉リハビリテーション学科 社会福祉専攻 ニュース 燃え尽きない福祉職のバーンアウト対策 ~クールヘッド、ウォームハート!

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社会福祉って何?

燃え尽きない福祉職のバーンアウト対策 ~クールヘッド、ウォームハート!

「福祉のお仕事ってどんな感じ?」という疑問の中に

「福祉職の精神的負担」について

きかれることがあります。

「つらいお仕事をして…」

「相手の気持ちもあるから難しそう…」

というあたりが皆さんの想像にはあるようです。

だからと言いましょうか、

福祉職をしているだけで褒められることも多いです。


福祉の仕事での苦労のイメージの一つに

「バーンアウト(燃え尽き症候群)」があるかもしれません。

相手の気持ちも大切にするので

時には自分の思い通りにいかないと感じたり、

自分の努力が報われないと感じたりして、無力感を…

そして、仕事の意欲さえなくなってしまう…
そんなイメージがあるかもしれません。

福祉のお仕事を選ぶ方の中には正義感が強く、

「こうあるべきである」や「正しいことしかしてはいけない」など

誠実で、一生懸命努力する方が多いことがあるようにも思います。


素晴らしいことですが、仕事ですので、

うまくいくことも、いかないことも

どうしても起こります。

そうなると、自分の努力や

自分の思いを持っていく場所がなくなるのかもしれません。


そこで、今回は「燃え尽きない」ために

福祉職はどんな「対策」をしているのでしょうか?

 

★対策1:学ぶ★

福祉のお仕事で出会う利用者さんは

症状や病状が変化の少ない状態の時も結構あります。

よくなって終わり!解決して終わり!ということも

もちろんあります。

しかし、その状況が今よりひどくならないように

関わり続けることが中心になることもあります。

現状維持であったり、少しでも長く良い生活状態を保ったりすることが

大切な状況ともいえます。

そして、まずは時間を共にすることも

大切なときもあるのです。

また、ご本人の責任ではなく、

社会問題としての福祉的な困りごとがあること、

その状況になれば、

誰でも同じような状況に陥ることを

専門職の教育の中で私たちは学んでいます。


更に、仕事の構図としては

機関の代表の一人として、

現在かかわっている自分であることも

冷静にとらえています。


ですから担当が変わる時もあります。

自分の趣味で、その業務についているのでは無く

利用者さんのニーズと自分が働く福祉機関との合意によって

自分が今そのポジションの仕事についていると見ています。


何もかも自分の責任ではなく

所属機関や協力機関とチームで支援をするわけですから

自分がピンチの時は仲間や職場に相談をします。

一人が難しければ2人で

自分が無理なら他の方で交代も含めて

協力もしながら進めていきます。


そのためにも、福祉職は連携を大切にし、

職場のチーム作り、支援者の仲間づくりに

様々工夫をしています。

そうしたことで自分を安定的に保つことができます。


地域の援助職ネットワークは

昔に比べると随分確立されてきました。

加えて、京都光華女子大学をはじめとする

福祉専門職養成の授業では

心や発達の理論、集団や家族の力動、

障害・症状の理解、歴史的社会的経過なども学びますので

現状を冷静に理解できます。


「クールヘッド、ウォームハート」という

支援者が目指す状態を表す言葉があります。

「冷静な頭」と「温かい心」で支援に臨むことが

燃え尽き症候群への予防対策になります。



★対策2:相対化する★

「相対化」とは、

他との関係や比較を前提にして考えることを意味する言葉です。

世の中には一人一人の人生があり、

それぞれ一人一人の物語があります。


そんな中で

私は今この自分自身の人生を歩んでいます。

自分が大変!と思いがちですが

冷静に広い視野を持ち、

その中の自分を見つめなおすという工夫もしています。


そのためには

他の方々がどんな物語を歩んでいるかを知らなくてはなりません。

口頭できくのはもちろんですが、

映画や小説、ドキュメンタリー、ニュースなどでも知ることができます。

人は自分の経験しかわかりませんが

他の方の話を聞くことでたくさんの視点や苦労や工夫を知ることができます。

福祉の現場ではいろんな方に出会います。

そのためにもいろんな物語の基礎知識を持っておくことが大事です。


また過去の歴史からも

今の自分の経験が長い歴史の中でどんなものであるのか、

どんなふうに位置づけられるのかが

見えてくることがあります。



★対策3:いろんな自分でいる★

「家」と「仕事」の往復では2つしか

自分の役割がありません。

もしその片方がうまくいかなければ

自分の半分が×になります。

ですが、自分の役割をいくつか持っていると

一つうまくいかないことがあっても

自分の一部分が×なだけで

他の過半数は✖ではありません。

人生はいいこともあるけど、悪いこともあります。

いいことだけ起こそうというのは難しいでしょう。

そう捉えるためにも

いくつかの役割、いくつかの自分を持っておくと

自分自身を支えることもできます。

地域での私、バイト先での私、ボランティアでの私、勉強仲間といる私…

大学では、そんな時間や機会も作りやすい人生の時期といえます。

福祉職になっても、その続きで

活動を継続するのもいいでしょう。

「学ぶ」、「相対化する」、「いろんな自分でいる」


こんな工夫をしていると

職場以外にも友人、勉強仲間もできますし

自分を日々捉えなおすことをできます。


そこから、また明日からの仕事への

エネルギーを充填しているのが福祉職といえます。

大学では、こういう考え方や

知識を学びます。


そして、仲間もできますし、

いろんな役割を持つ機会もめぐってきます。

福祉の仕事はとてもやりがいのある

人生をかけるに値する仕事です。

(千葉晃央)

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