専攻紹介

コミュニケーションの楽しさを
支援する言語聴覚士へ

言語聴覚士とは

「話す」「聞く」「食べる」といった日常生活の動作が、病気や事故、高齢化により不自由になることがあります。また、生まれつき障がいのある方もおられます。
言語聴覚士は、こうしたコミュニケーションの問題を専門的な分野からサポート。医療機関だけでなく、福祉や教育など幅広い分野で活躍するリハビリテーションの専門職です。

コミュニケーションの問題を
サポートするプロ!

学びのポイント

  • 他学科との連携でチーム医療に
    応えるスペシャリストを養成

    言語聴覚士として、患者さんのコミュニケーション機能向上に向けた支援をするには、医師、看護師などとの多職種協働におけるチームワークが不可欠です。本学では京都滋賀地区トップクラスの専門職養成の幅広さにより、多職種連携教育が充実。学部学科を超え相互に学び合う横断的なカリキュラムで、幅広い視野をもって各職種の専門性や役割の相互理解を深め、チーム医療の一員としての実践力を養成します。

  • 学内のクリニックで言語聴覚士の
    臨床をリアルに学ぶ

    キャンパス内にある「光華もの忘れ・フレイルクリニック」は、言語聴覚専攻の専任教員(医師)が院長を務める認知症・フレイル予防のためのクリニックです。本専攻の教員が言語聴覚士や医師として検査などに携わっており、学生の演習や実習の場としても活用することで、リアルな地域医療や専門職連携を肌で経験し、学ぶことができます。

  • 第一線で活躍する講師から
    経験知を吸収

    現役で活躍する医師や言語聴覚士が、医学系講義や演習科目を指導。医療現場で活躍されているプロフェッショナルを講師としてお招きし、学ぶ機会が豊富にあります。言語聴覚障害の当事者やご家族の方などから直接話を聴く機会も用意しています。

  • 仏教精神のもと患者さんと向き合い
    寄り添える医療人を養成

    「仏教と医療福祉」や「ターミナルケア」など、仏教系の大学だからこそ学べる科目を通し、医療人として大切な患者さんと向き合う心を養います。

取得可能な資格・免許状

言語聴覚士(国家試験受験資格)

4年連続全国平均超え

第25回 言語聴覚士
国家試験 合格率(新卒)

67.8%

※合格者19名/受験者28名
(2023年3月卒業生)

高まるニーズ

国家試験合格者累計
(2022年3月時点)

言語聴覚士はリハビリテーションの専門職の中でも極めて人材が不足しています。

日本言語聴覚士協会 会員男女比
(2022年3月時点)

言語聴覚士は女性の割合が高く女性の活躍が期待できます。

学生1人あたりの求人

※2022年3月卒業生対象(2022年3月時点)

〈引用:各協会および厚生労働省HP〉

授業紹介

実技を通じて検査や評価方法を学ぶ高次脳機能障害演習

高次脳機能障害の検査・評価方法および治療について実技演習を通じて学びます。臨床場面を具体的にイメージできるよう、事例を基にして学生がグループで検査を行い、その検査法・採点法を習得していきます。

ココがおすすめ!

臨床経験のある先生が教えてくれるので、教科書では学べないリアルな話をたくさん聞けます。患者役と言語聴覚士役に分かれて学生同士で演習するので、実際の現場に近い環境で主体的に学ぶことができました。

Y.Iさん / 3年生 福井県立 若狭高等学校出身

評価から支援実施までをトータルに学ぶ摂食嚥下障害学演習

摂食嚥下障害の症状の評価方法を学び、評価をもとに訓練の目的を理解し、適切な訓練を選択して実践する力を養います。また、摂食嚥下障害への対応はチームによって行われるため、他職種との連携によるチームアプローチについても学びます。

ココがおすすめ!

実際に患者さん用の飲食物を作って食べるグループワークがあるので、楽しみながら患者さんの気持ちを知ることができました。食事の際の観察点やケアのポイントなども教わったので、臨床現場でも役立てたいです。

H.Uさん / 2年生 兵庫県立 武庫荘総合高等学校出身

社会とつながる実践的な学び

高齢者や障害のある方に対する食支援活動「KOKA☆オレンジサポーターズ」

地域における認知症の方を含めた高齢者・障害者の口腔機能の低下を予防し、いつまでもおいしく安全に食べ続けることの啓発を目的として、学生たちが高齢者・障害者に食べやすい和菓子の開発に参加したり、近隣の認知症カフェ、デイサービス、介護予防教室等で啓発イベントを実施しています。

飲み込みやすい和菓子・機能性和菓子の開発・研究

産学連携として企業や他学科と協働し、飲み込みやすい和菓子や機能性を付加した和菓子(血糖値上昇抑制等)の開発に取り組んでいます。

コミュニケーション支援を学ぶ「失語症サロン」

失語症の方々に対するサポートの一環として、コミュニケーションを楽しんでいただける場を提供することを目的に、失語症サロンを開催しています。学生は失語症の方々との交流の中から、言語訓練や日常生活に対するアドバイス方法、ご家族の方への対応方法などを学びます。また、授業とは別に、失語症の勉強や検査の練習も行います。

実習ステップ

1年次

言語聴覚士の仕事を初めて体感する

1日見学実習[11月]

臨床現場で働く言語聴覚士の仕事を実際に見学し、大学で学んだ知識を基に、患者(利用者)さんの症状を観察します。

2年次

専門知識を基に実践力につなぐ

臨床実習(見学実習)[1週間]

専門科目の講義で学んだ知識を基に、患者(利用者)さんの言語症状をおおまかに捉えること、訓練や指導の目的を考えることを目標に学習します。

3年次

専門知識から実戦での評価力を高める

臨床実習(評価実習)[2〜3月(4週間)]

訓練、指導を見学しながら、患者(利用者)さんの言葉や反応を記録する実習を実施。その後、授業で学んだ検査の実施や症状の評価を実践の場でトレーニングし、確かなスキルを身につけます。

4年次

訓練・指導プログラムを立て実践する

臨床実習(総合実習)[6〜8月(8週間)]

評価実習で学んだ症状の評価方法を再確認し、その結果に基づいた訓練・指導プログラムを立案し、実際の訓練・指導までを実習します。さらに他職種との連携などチーム医療の最前線も学びます。

主な実習先

京都エリア

  • 京都第一赤十字病院
  • 京都市立病院
  • 十条武田リハビリテーション病院
  • 京都大原記念病院
  • 京都リハビリテーション病院
  • 京都岡本記念病院
  • 宇治徳洲会病院
  • 洛和会音羽病院
  • 京都協立病院
  • 綾部市立病院

滋賀エリア

  • 南草津病院
  • 甲西リハビリ病院
  • 近江温泉病院
  • 琵琶湖中央リハビリテーション病院
  • 淡海医療センター
  • びわこ学園 医療福祉センター 草津

大阪エリア

  • 愛仁会高槻病院
  • 美杉会男山病院
  • 明生病院
  • 近畿中央呼吸器センター
  • 医療法人 医誠会
  • 生長会 府中病院
  • 社会医療法人祐生会 みどりヶ丘病院

など

1年次から卒業後も!国家試験合格への手厚いサポート

1年次~
授業で学んだ内容を、国家試験対策に結びつける
  • 基礎学力の向上
  • 専門科目等の授業と循環型で理解を深める
  • クラスアドバイザーによる定期的な到達度確認や個別指導、学修計画へのアドバイスを実施
3年次~
習熟度に合わせたレベル別補習を少人数制で実施
  • 学生の苦手分野の克服を徹底
卒業後
卒業生を対象とした研修会や個人相談を実施
  • 就職後の臨床業務/大学院への進学や再就職/国家試験再チャレンジ

SWIPEしてご覧ください

言語聴覚士を目指す

就職

就職率84.2%

※就職率=就職者 / 就職希望者
※2022年3月卒業生実績

目指せる進路・就職先

総合病院

リハビリテーション専門病院

老人保健・福祉施設

障害者福祉センター

小児療育センター

通園施設

など

武田病院グループ/社会福祉法人恩賜財団済生会京都府病院/社会医療法人岡本病院(財)京都岡本記念病院/洛和会ヘルスケアシステム/公益財団法人京都保健会 京都協立病院/社会医療法人誠光会 淡海医療センター/医療法人清水会 京都リハビリテーション病院/公益財団法人近江兄弟社ヴォーリズ記念病院/医療法人 きたじま倚山会 きたじま田岡病院/公益財団法人丹後中央病院/市立敦賀病院/和歌山生協病院

※就職実績は過去3カ年のものです。

卒業生インタビュー

京都岡本記念病院
言語聴覚士
健康科学部 医療福祉学科 言語聴覚専攻※ 2019年度卒業
(香川県立 高瀬高等学校出身)

「患者さんである前にひとりの人」と
いう教えを胸に、一人ひとりに寄り添う
サポートを心がけています。

急性期~回復期を担う約400床の総合病院で、主に成人の言語聴覚療法を行っています。脳血管疾患や呼吸器疾患を中心に、頚椎損傷の方のリハビリなど、幅広い疾患の患者さんと向き合う日々を送っています。食事は難しいだろうと言われていた摂食嚥下障害の患者さんに対し、適切な評価を行って、食事条件の設定をした上で経口摂取を確立できた時は、とてもやりがいを感じます。他職種と連携して業務にあたることが多いため、大学時代にグループワークなどを通じて培ったコミュニケーション力が、とても役立っていると感じます。講義中に先生から教わった言葉で今でも大切にしているのが「患者さんである前にひとりの人として接する」というものです。この言葉のおかげで、病態ばかりに捉われず、一人ひとりに寄り添ったリハビリを実践できています。本院には京都光華の卒業生も多く勤務しているので、お互いに切磋琢磨しながらスキルアップしています。

今でも思い出す、
大学時代の恩師の言葉。
子どもたちに寄り添いながら、
その成長を見守っています。

弟が言語聴覚士の方にお世話になる機会があり、言葉の発音が徐々に明瞭になるのを目の当たりにして、言語聴覚士の仕事に興味を持ち始めました。現在は医療型障害児入所施設で働いています。主に食事とコミュニケーションに関するリハビリテーションを行っており、じっくり子どもたちと関わっていくことで成長が見られた時はとてもやりがいを感じます。初めて自分の名前を呼んでくれた時は特に嬉しかったです。国家試験の勉強では、分野ごとに補講を行ってくださったことがとても心強かったです。在学中に、医療現場で実際に働いていた先生方の経験を聞く機会が多くあったので、その時の先生方の言葉を今も思い出しながら働いています。

京都府立舞鶴こども療育センター
言語聴覚士
健康科学部 医療福祉学科 言語聴覚専攻※ 2019年度卒業
(石川県私立金沢学院東高等学校(現:金沢学院大学附属高等学校)出身)

※学部・学科は入学時のものです。

わたしの成長STORY

M.Iさん 4年生
兵庫県立 西宮高等学校出身
Q1京都光華を選んだ理由は?

臨床で活躍している言語聴覚士の方が教員であり、実習施設も充実しているので進学しました。オープンキャンパスで学生スタッフがとても優しく、丁寧に説明してくれたのも印象が良かったです。

Q2言語聴覚士を目指すきっかけは?

もともと医療系の職種に就きたいという思いはありましたが、祖母が認知症で喋ることができなくなったことがきっかけで、コミュニケーションの支援ができる言語聴覚士を目指すようになりました。

Q3京都光華の強みは?

学生と先生方の距離が近く、いつでも相談できる環境が一番の強みです。言語聴覚士の国家試験に向けた勉強に関しても親身になって相談に乗ってくださり、苦手分野の補習もしていただきました。

Q4大学で身についた力は?

実習で高齢者や子どもと話す機会が多く、コミュニケーション力が身につきました。4年次の総合実習では実際に患者さんを担当し、最終日に「いい言語聴覚士になってね」と温かい言葉をいただき嬉しかったです。

高井 小織 准教授

障害のある子どもの療育スタッフを経験するなど、4年間で自主的な行動力が高まりました。国家試験の勉強にも粘り強く取り組み、検査機器を使う演習では、放課後も友人と納得いくまで練習する姿勢に感心しています。