ニュース

教員コラム

社会福祉を学ぶ意味(2)

新生児・児死亡率という言葉を、ご存知でしょうか? 新生児は生後約1ヶ月未満の赤ん坊で、死亡率は1000人出産当たりに死亡する人数です。乳児は生後約1年未満の赤ん坊で、死亡率は1000人出産当たりに死亡する人数です。日本の新生児死亡率は1000人出産当たり1人(0.1%)、乳児死亡率は1000人出産当たり2人(0.2%)。
日本の新生児・乳児死亡率の低さはシンガポール、アイスランドなどとともに世界トップです。世界全体の新生児死亡率の中央値は1000人中10人(1%)、平均値は1000人中20人(2%)、世界全体の乳児死亡率の中央値は1000人中15人(1.5%)、平均値は1000人中34人(3.4%)となっています。

世界保健統計2015によると、最も新生児死亡率が高い国はアフリカの南西部にあるアンゴラで1000人出産当たり47人(4.7%)、最も乳児死亡率が高い国は、西アフリカにあるシエラレオネで1000人出産当たり107人(10.7%)となっています。

関西空港から、8時間程で到着するカンボジアという国があります。世界遺産のアンコールワットが有名です。この国の新生児死亡率は1000人中18人、乳児死亡率は33人と高い数字です。周産期と小児医療・衛生環境の低さが原因ですが、母子に関係する社会福祉が整っていないことも、大きな要因です。

京都光華で社会福祉を学ぶ学生たちには、日本とは異なる環境の中で育つ子どもたちに触れる機会があります。自分の目で見て、手で触れて、子どもたちと関わることは、日本の社会福祉を再考することにもなります。

SS(SS)