京都光華女子大学 こども教育学部 こども教育学科 ニュース 特別講座『子どもの育ちを支える住環境・園舎』を行いました

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特別講座『子どもの育ちを支える住環境・園舎』を行いました

4年生の保育士資格必修科目「保育実践演習」では、これまでの学びの集大成として、“理想の保育園をつくろう”プロジェクトに取り組みます。そのためのレクチャーとして、コアー建築工房の上垣内寛氏から子どもと住環境および園舎づくりの実際と課題についてお話を伺いました。

 

 まず日本の家屋について、そして、家屋の通風や日照についてお話をお聞きしました。窓の位置、軒や廂の役目、天井の高低、明暗、広さと狭さを取り混ぜた住まい、畳、引き戸、縁側、すだれ、風鈴などを上手に取り入れた住まいの中で育つ感性について、考えさせられる部分が多くありました。現代の住まいから失われつつあるものの意味を問い直し、子どもたちが木に触れ、住まいについて知ってもらう体験をするため「住育」と名付けた取り組みもされています。

 大型木造建築として現在建築中の保育園を紹介していただきました。改築に至る経過、子どもたちとの地鎮祭、上棟式での子どもたちの演技披露、子どもたちの建築現場への見学などです。これらの動画を見ていると、子どもたちの新園舎への期待と、それに応えるかのように大工さん方が作業に励んでおられることがわかります。

 

 これらは、初めて聞く内容も多く、興味深いものでした。学生の感想を挙げます。

 

・住環境における大切なポイントの「土・空・光・風」の中の「風」の部分は、わかりやすい図で出していただいたので大切さがよく理解できました。

・住環境が五感を育てることにつながるということを知りました。

・環境としての園舎が子どもたちの成長や日々の生活にとってとても重要な要素であると感じました。

・子どもたちが日に日に成長するこの時期の感性を大切にしたいという思いが設計士さんや大工さんにもあることが素敵だと感じ、私たち保育者も一緒になって子どもたちの豊かな暮らしについて考えたいと思った。

・保育とは関係性が薄いようにみえる職業の方々がこれだけ子どものことを思って仕事をされているということを知ることができてとても良かった。

・木をたくさん使ったあたたかい感じの園を作りたい。

・保育者と建築の方との連携が必要だと思いました。

 

 これから学生らはグループに分かれて、理想の保育園の設計とその保育方法を考えてパンフレット作りに取り組みます。子どもも保育者も居心地の良い、理想の保育園を探っていきましょう。

講義の様子