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ベルの物語

ベルの冒険(その6)

ベルは 泣きました。

みんな どこかにいってしまい、ベルだけ一匹 取り残された と思ったからです。

でも、いっぱい泣いた後に、ふと 気がつきました。

花壇には、たくさんの花が 咲いています。

ベルは、いつも大学の庭を お世話している人のことを 思い出しました。

今も こんなにきれいに お花が咲いているのだから、大学のどこかに きっと誰かいる。

ベルは そう思いました。

 

そこで ベルは、いつも「光華こどもひろば」をやっている 保育実習室に いってみることにしました。

もしかしたら、そこに 子どもたちが いるかもしれません。

ベルは、ちょっと 元気になりました。

いそいで 保育実習室に いってみると、

いつも楽しい保育実習室は 真っ暗でした。

向かいのピアノ室で ピアノを弾いている学生さんも いません。

ベルは、いつもの場所に 座りました。

ベルは、この世界の中で たった一匹になってしまったのだ と思いました。

                     (続く)