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ベルの物語

ベルの冒険(その11)

コモンズに戻ったベルは、そこで もう1人の先生にも 出会うことができました。

音楽の先生です。

ベルは、音楽の先生に 今日の話を いっぱいしました。

ひとりで さみしかったこと、思いきって 外に出てみたこと。

ようやく 絵の先生に会えて ほっとしたこと。

先生が いろんなものを 作ってみせてくれたこと。

いっきに 話をしたベルは、急に 眠くなりました。

コモンズに帰ってきて、ほっとしたようです。

「ベルちゃん、今日はいっぱい冒険したのね。」

音楽の先生は 立ち上がると、コモンズにある ピアノのふたを 開けました。

そして ピアノを ひきはじめました。

それは、ベルが 聞いたことのある曲でした。

もしかしたら 学生さんが 弾いていたのかもしれません。

「先生、ベルも ピアノ弾いてみたいなあ。」

目を とろんとさせながら、ベルは 言いました。

「じゃあ ベルちゃん、今度 教えてあげますよ。」

先生は、ピアノを弾きながら 約束してくれました。

静かで やさしい曲でした。

ベルは、母さんグマのそばに いるような気持ちに なりました。

ふわぁ〜。やっぱ 落ち着くなぁ〜。

そんなことを 思っているうちに、ベルは いつのまにか 眠ってしまいました。

 

これで、ベルのお話は おしまいです。

そして 今日も ベルは、コモンズで みなさんが来るのを 待っています。

また 大学で お会いしましょう。
一日も早く その日が 訪れますように。
                    (おわり)