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こども教育の学び

KOKAエコアワード表彰式

KOKAエコアワード」は2010年から実施している学園行事です。 ①エコアイデア部門、②作文部門、③標語・短歌(和歌)部門、④ポスター部門、⑤作品部門から構成され、エコに関する作品・アイデアの中から、優れた内容を表彰します。

令和2年12月16日(水)、2020年度第11KOKAエコアワード表彰式が開催されました。

作文部門の応募総数は、390作品でした。

その中から、こども教育学科3回生、小山千莉さんが銅賞を受賞しました。

授賞式の様子と小山さんの作文を紹介します。

【小山さんの作文】

「貧困という教育環境問題に向き合う」

私は、大学2年の2月に1ヶ月間オーストラリアに行きました。

私がオーストラリアに行ったきっかけは海外での学校教育に興味があって実際に見てみたいと思ったことと、こども教育学科の先輩が1年前にオーストラリアへ行かれており、その時の話を聞かせてもらったことがきっかけです。

オーストラリアでは、KIRRAWEE HIGH SCHOOL(中学1年~高校3年)で日本語教師のアシスタントをしました。授業で日本語を書いたり、発音の見本をしたり、生徒のテストや作文のチェック、日本語の先生が作成したプリントや、テストの日本語がおかしくないかのチェックなどをしました。

また、私は絵が得意で、そのことをフランス語の先生が気に入ってくださり、フランス語のテストの作成もさせていただきました。

インターン先の学校では、自分で好きな教科を組むシステムになっているので、児童はとても積極的に日本語の勉強に取り組んでいました。授業では、タブレットで学習ゲームをしたり、動画を見たりして楽しく勉強をしている様子に感心しました。

学校でのインターン以外にも仲良くなったフランス語の先生と海に行ったり、ドイツに行きたいという話をした際には、カフェでドイツ語を教えてくれたりしました。また、その先生とキャンベラに行って、キャンベラにいる先生の友達夫婦と図書館に行ったり、カフェに行ったり、キャンベラ国会議事堂に行きました。

この1ヶ月間のインターンを通して多くの人とコミュニケーションと取り、色々な考えに触れることで大きな刺激を受けました。また、人のやさしさを実感することもたくさんありました。

海外旅行地として人気のあるオーストラリアはオペラハウスやキャンベラ、コアラ、カンガルーなど魅力がたくさんあります。

一方、先進国であり、これまで経済成長を続けてきたオーストラリアですが、貧困、その中でも特に子どもの貧困が問題視されています。経済協力開発機構(OECD: rganization for Economic Cooperation and Development)のデータによると、2013年度のオーストラリアにおける子どもの貧困率は13.0%でした。また、オーストラリア人権委員会(Australian Human Rights Commission)によって発行されたレポートによると、6人に1人の子どもが貧困線を下回って暮らしているという報告もあります。さらに、UNICEF(国連児童基金)のレポートによると、OECD諸国の中でオーストラリアは、健康の平等に関して35か国中27位であり、教育の平等に関して、37か国中24位です。以上のことから、オーストラリアの子どもの貧困は深刻であり、先進国の中でも対応が遅れていると考えられます。

一般的に、環境問題といえばごみ問題、地球温暖化、自然破壊などが思い浮かべられると思いますが、私は、今回のオーストラリアでのインターンを通して子どもたちの教育環境も大きな環境問題であると考えるようになりました。貧困問題を解決するためには教育環境の改善が必要です。また、教育問題だけでなく経済など総合的な問題解決が必要だと考えています。

2015年9月の国連サミットで採択された、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標の筆頭目標は「貧困をなくそう」つまり、貧困問題の解決です。

今回、オーストラリアでインターンをしたことを通して、自分自身の視野が広がり、ものの見方・考え方が深まったことを実感しています。また、海外から日本の教育を見ることで、これまでの問題意識がさらに広く、深くなりました。

私は、今、小学校の先生を目指して教育について学んでいます。将来、小学校の先生になったとき貧困が原因で十分な教育が受けられない児童がうまれない社会を作っていきたいと思います。そのためにこれからも大学での学びを深め、社会問題について深く考えていきたいと考えています。

授賞式の様子