京都光華女子大学 こども教育学部 こども教育学科 ニュース 小学校教員に必要なスキルを身につけていく授業(6) 〜 英語科指導法 〜

ニュース

こども教育の学び

小学校教員に必要なスキルを身につけていく授業(6) 〜 英語科指導法 〜

京都光華女子大学こども教育学科における「英語科指導法」のクラスは、学校教育コース・幼児教育コースの3年生が履修しています。

新学習指導要領においては、国際社会で活躍できる人材を育成することを一つの目的として、世界に通用する実践的な語学力が習得できるように、英語教育の改善が行われました。その結果、2020年より小学校高学年で「外国語(英語)」が教科化され、小学校中学年でも「外国語活動」として学習の時期が早まりました。

本学科の「英語科指導法」では、この新たな動きに対応できる小学校教員に必要な英語の指導法を学びます。ここではその一つの例として、「英語絵本を用いた読み聞かせ」についてご紹介します。

英語絵本は、子どもたちが耳から聞こえる音(英語)とその意味(絵の情報)、そして文字を結び付ける秀逸な教材ですが、それ以前に、もともと子どもたちは「読み聞かせ」が大好きです。クラス全体の笑いや悲しみといった共感を呼び、情意(感情や意志)面の発達にも繋がるという意味では日本語絵本の読み聞かせと変わりません。ただ、実施する側にとっては「こんな発音でいいだろうか」とか、「英語を間違えていたらどうしよう」という不安が先に立ち、英語絵本を授業に取り入れるにはハードルが高いという現状もあります。

本授業では、まず絵本の選書の視点を整理し、目的に合わせてどんな絵本を選べばよいかを考えます。例えば、語彙や表現を学ばせたい場合には、それが場面と共に何度も楽しく繰り返される絵本を、また、子どもたちが次の展開を予想し、思わずそれを英語で言いたくなるようにするためにはそういったワクワクする内容の本を選びます。

次に、先生がどんなふうに読み聞かせれば児童が英語の音と意味を結び付けてわかるか(インプット方略)、また、何をどんなふうに質問をすれば児童の発話を促せるか(アウトプット方略)、さらに、絵本を通しどんなふうに児童とやり取りをするか(インタラクション方略)も考えます。

こう並べるとなんだか大変そうですが、先生の使う英語は中学校レベルで十分ですし、表情豊かにジェスチャーも交えながら行う英語絵本の読み聞かせをいったんマスターすれば、今後、学校現場で英語指導に関わるときには大きな力になり、実は一番楽しく取り組める「英語力アップ」の秘密兵器になるかもしれません。    

Enjoy story telling!

 

読み聞かせの例(参考絵本: Bob Bear’s Beards By Lee Hayden Straight)