京都光華女子大学 こども教育学部 こども教育学科 ニュース 光華幼稚園の園児さんとの交流授業①(保育内容(人間関係)の授業より)

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光華幼稚園の園児さんとの交流授業①(保育内容(人間関係)の授業より)

「猛獣狩りに行こうよ! やりだって持ってるし てっぽうだって持ってるもん!」とリズムよく言ったり、ジェスチャーをしたりすることを楽しんでいるように見えた。グループになってからの交流も楽しんでいた。



学生とペアになったことで最初は緊張している風だったけど、だんだん打ち解けて会話も増えて笑顔で楽しそうにしていた



お友達を言葉の数で探すのが、楽しそうだった


初めのルール説明の時は、分からなそうだった

ルール説明の仕方をどのように子どもたちに伝えていけばいいのだろう


これは光華幼稚園の園児さんと一緒に遊んだ授業時の学生の感想の一部です。

京都光華女子大学の同じ敷地内に光華幼稚園があります。幼稚園教育実習の実習園としてやインターンシップでもお世話になっています。 単発的に幼稚園の園舎の見学に行ったり、保育参観をさせていただいたり、行事で交流したりすることはこれまでからも行っていました。 

せっかく同じ敷地内にあるのだから、単発でなく、継続的な取組が何かできないかと考えていたのですが、この度、幼稚園のご協力もあって、1年生の保育内容(人間関係)の授業に園児さんを招いて一緒に遊ぶことになりました。

昨年までの保育内容(人間関係)の授業では、学生同士で園児役や保育者役になって「人間関係を育てる遊び」をテーマに模擬保育を行っていました。今年度は、本物の園児さんと一緒に遊ぶことになりました。交流の機会は6回です。まずは6つのグループに分かれて、遊びを考えることから始めました。「どんな遊びができるのだろう」「4歳児ってどんな感じ?」「人数は何人?」など交流授業を行うことを聞いて、学生の皆さんはいろいろなことを考えなくてはなりませんでした。遊びが決まると、誰がどのように進めていくのか、必要なものは何があるのかなどを考えて保育指導案を立てました。保育指導案を立てても指導案通りに進むとも限りませんし,押し切ることがいいことでもありません。でも指導案をたてることでおおよその遊びの流れの見通しがつきますから、指導案を考えることは大事です。6回をどのグループからするのかを決めて、いよいよ11/25(木)から交流が始まりました。

 

 初回は、4歳児のひまわり組さんと「猛獣狩り」と「ジャンケン列車」の2つの遊びをしました。 園児さんも初めての経験ですが、担当学生の話をしっかり聞いて遊びに参加をしてくれました。遊びは園児役の学生とペアになって行いましたので、初めての遊びの「猛獣狩り」も学生の感想にあったように、元気いっぱいで♪猛獣狩りに行こうよ♪と歌って参加をしてくれました。

「猛獣狩り」の遊びでは最後に、リーダーが言う動物の名前の数と同じ人数で集まります。例えば「ライオン」なら4文字なので4人組になるのです。歌に合わせて体を動かすところまでは楽しんでいましたが,「ラ・イ・オ・ン」は4文字だから4人組になるのだ…という所は4歳の子どもたちにはなかなか難しいことでした。そこはペアの学生が「4人になるよ。お友達見つけよう」とリードをして4人組をつくりました。集まった4人組で、好きな食べ物や好きな色をそれぞれが言い合いました。この交流はいい雰囲気で、学生も子どもたちも思いを出し合っていて楽しめて、いいアイデアだったなと思いました。

 

 2つ目は「ジャンケン列車」をしました。音楽が止まったら出会った人とジャンケンをして、勝った人は負けた人の後ろに繋がって最終全員が繋がって長い電車ができる遊びです。

音楽が止まったか、止まっていないかわからなくて、子どもたちが少し戸惑っていたと感じた。もう少しわかりやすい所で止めるのがいいのかと思った。


学生が横に座って、ゆっくり「ジャンケンポン」というとジャンケンのタイミングがわかりやすいなと感じた。


負けたらどんどんつながっていく中で、どこが先頭かわからず戸惑っていた。


曲に合わせて歩くときは、みんな笑顔で楽しそうだった。ジャンケンに勝った時の喜びも多くあった。負けた園児さんに「一緒に応援しようか」などの声掛けが必要だと感じた。


大人数でごちゃごちゃしたが、リーダー(保育者役)が動き、注目を集めていたことがよかった


列車になり切って「シュッ シュッ」と言ってみたり、「ジャンケンに勝つ!」と張り切っていたり楽しそうだった。ジャンケンに負けるとすごく悔しそうにしていたが、列が長くなるにつれて先頭の子に「頑張れ!」と応援することができていた。


「負けたら後ろにつく」という表現でなく、「みんなは最初は運転手さんだよ。負けたらお友達の列車に乗るお客さんになろうね」というと負けても、もっと楽しめるのかなと感じた。


同じ遊びであっても、学生同士で行うだけでは気がつかない子どもたちの実態・言動に、驚いたり、納得したり、喜んだり、反省したりする感想が並びました。

4歳児だけではジャンケンが成立する場合も成立しない場合もある』、『保育室全体を使って動くというより、友達のいる近くの方が安定するということもあり、保育室の半分ほどしか使えていなかった』、『狭い場所でごちゃごちゃ固まってしまって、勝ち残っている子どもたちがどこにいるのかわからなかった』等は、今後の遊びにもつながる大きな発見であったと言えるでしょう。

「先頭が分からないから、タスキとかをつけるといいのかな」「保育者は前に立って『先頭の人~』って聞くだけでは周りがガヤガヤしているため、先頭の子どもの所まで駆け寄って、しっかり接してコミュニケーションを取ることが大事だと思った」「ジャンケンに負けてしまった時のフォローが必要だと思った」等のように『保育者役』『園児役』『観察者役』それぞれの立場で『園児さんが楽しんでいたこと』『園児さんが戸惑ったり、わからなかったりしてあまり楽しめなかったこと』『保育者の言葉かけや援助、場の設定などで気づいたこと』の3つの観点からの気づきを報告してくれました。今後は3歳児や満3歳児の園児さんとの交流も控えています。年齢や発達による様々な違いや保育者の関わり方の違いなども今後気がついていくことでしょう。実際の園児さんと一緒に過ごす・遊ぶからこそ得られる気づきがたくさんあります。その気づきを大きな学びにして、これからの残りの交流が園児さんにとっても楽しい時間となり、学生にとっても園児さんと一緒に遊ぶからこそ感じられる学びを多く得て、有意義な時間となるようにしていきたいと考えています。

猛獣狩り「やりだってもってるもん♪」

動物の名前の文字の数だけ集まってグループになります

じゃんけん列車の様子です

じゃんけんぽん!

長~くなってきました