京都光華女子大学 こども教育学部 こども教育学科 ニュース 生活科の授業紹介①~飼育活動の目的について~

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生活科の授業紹介①~飼育活動の目的について~

 生活科の授業~飼育活動の目的について~を紹介します。

今回の授業では、生活科における「飼育活動の目的や価値」について考え、発表しました。始めに、飼育活動の目的について学生に問いかけると、多くの学生が飼育活動をすることで児童の「生命を大切にしようとする心」を育てることができると考えていることが分かりました。しかし、この心を育てるためには、ただ生きものを飼育するだけの活動では十分とは言えません。そこで、生きものを飼育し、生命を大切にする心を育てる上で、児童が身に付けるべき重要な考え方を取り上げ、飼育活動の目的や価値についてまとめる活動を行いました。

活動の流れは、①公園で生きものを探す、②生きものを観察する、③生きものを飼育する環境について考える、となっています。授業の中で初めて生きものを観察したときに、体の様子やつくりに注目して記録を取る学生が多くいました。しかし、生きものを飼育することを考えたときに、上記の視点のみでの観察でよいのかという疑問が生まれました。そこから、「生きものの生育環境や生育条件」という視点で生きものを観察することが、飼育活動に向けた重要な気付きになるということを学びました。

その後すぐに飼育に移るのではなく、「生きもののおうち」を考える活動を行いました。これは飼育ケースの中の環境をどのように整えたらよいのか、またどのように世話をすればよいのかを考え、ワークシートに表現する活動になります。学生は、対象の生きものの生態や生育環境に注目してケースの環境を考え、発表しました。例えば、ダンゴムシを飼育対象に選んだ学生は、落ち葉や石で日陰を用意したり、定期的に霧吹きでケース内を湿らせたりするなど、ダンゴムシの生態や生育環境をもとにケース内の環境や世話の仕方を考えていました。

実はこの生きもののおうちを考える活動が「生命を大切にしようとする心」を育てる上で重要な活動となります。対象の生きものの生態や生育環境に注目して考えるということは、「生きものの立場に立って考える」ということを意味します。これは飼育活動だけでなく栽培活動にも言えることですが、自分本位ではなく、生きものの立場に立って考えることのできる児童の育成は、生きものの気持ちを考え、生命を大切にしようとする児童の育成につながります。そして、このような児童を育成することができる飼育活動には大きな価値があります。ぜひ、今回の授業で学習したことを飼育活動の指導に活かしてほしいです。

ダンゴムシの部屋を考えました!