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卒業研究のご紹介⑧~橋口先生~

 こんにちは。管理栄養士専攻の橋口です。

 今年度の卒業研究テーマの一つ、「離乳食とえん下調整食のテクスチャー比較」についてご紹介します。今年度このテーマで行ったのは、高齢者など、食べ物がかみ砕けない、飲み込みにくい方向けに作られた「えん下調整食」について学んだゼミ生が、市販されている、えん下調整食品はどのくらいあるのか?市販品を上手に活用して、食事を作る方の負担を減らす手助けができないか?と思ったことがきっかけでした。

 えん下調整食品を探しにスーパーへ出掛けたゼミ生達は、自分たちが思っているよりも多くの商品があると感じたそうです。しかし、同じように硬さや飲み込みやすさについて配慮した食品である「離乳食」関連商品が、えん下調整食品よりもずっと多くの種類が販売されていることにも気付きました。そして、市販の離乳食品を上手に活用することで、えん下が困難な方たちの食事提供のサポートが出来ないかと考えました。

 離乳食の市販品とえん下調整食の市販品について硬さやべたつきなどのテクスチャーを数値化して比べてみました。その結果、市販の離乳食品は、えん下調整食品として利用可能な硬さや飲み込みやすさをしているとうデータが得られました。今年度の卒業研究では、コロナの影響もあり、テクスチャー測定をする所までの実施・報告となりました。

 離乳食は赤ちゃんのために薄味に調味されていて、大人が食べると味気なく感じます。そのため、硬さなど、安全性の面では問題がなくても、そのまま提供しても食事として満足のいくものとは言えません。離乳食品にちょい足しなどのアレンジを加えたメニューを考案したい、とゼミ生達は話しています。自分たちが関心を持って取り組んだ内容だったため、コロナ禍で制限がある中でも積極的に取り組んでくれました。