人間健康学群のブログ記事で紹介のように、「きょうと府内定着等推進事業」の「企業連携PBL」に、事業名「調理プロセスのSNS発信による健康増進と食のQOL向上」で採択され、株式会社山田製油(以下、同社)と連携して取り組んでいます。
同社とは、本学の産官学連携プロジェクトの授業科目で2014年度も企業連携PBLで取組していました。具体的には、同社の商品(ごま、ごま油、ごまラー油など)を使ったオリジナルハンバーガーを創作して、2014年11月学園祭「あかね祭」で販売でした。
学生チームは、販売に向けて、試作品を同社内で試食・批評頂いたうえで、試作を繰り返しました。商品名、かき揚げに入れる京野菜の種類、食材の調達先のお店、レシピ、学園祭の前と当日の広報、販売予測と単価・原価率、お客様アンケート評価用紙など、多方面の検討をしました。最初はバンズで試作していましたが、京野菜たっぷりのハンバーガーとマッチするバンズが見つからず、発想を転換してライスバーガーにたどり着き、レシピの作り方で「はんなりバーガー」として学園祭当日に販売しました。学園祭の2日間とも好天で、売上個数は2日間で188個(1個250円で販売)でした。お客様のアンケート評価結果も、少し食べづらい点以外は、味、見た目、栄養などの面で高い評価結果でした。詳細は、以下の参考文献リストの学会発表で記載しています。
9年後の現在(2023年2月)に当時を振り返っても、学園祭でのはんなりバーガーの創作・販売を通じて、学生チームメンバーは本当に熱心に、楽しく和気あいあいと取り組み、多方面について学び体験できたと思います。以下、学生の振り返りの一例を紹介します。
学生メンバーの振り返り:企業(山田製油)と連携して一つの課題に取り組む。そのためにはまず山田製油の会社理念、山田製油の製品などを聞きしっかりと理解した。山田製油の製品は本当に体に良い商品であることを社長の講義の際にわかった。山田製油のべジバーガーを試食して評価した。その際に良いところ改善すべきだと感じたところを分析して私たちが作るベジバーガーに活かした。ただ文化祭で販売するために試作だけを進めていくのではなく、名前、当日はどのくらいの量を販売するか、どの年代の層に販売するか、価格はどれくらいに設定すべきかを考えること。どのようにしたら魅力を伝えることができるか、これらのことを考えることはとても大切なことだと感じた。商品開発の方法を学ぶことができた。学園祭が終わりその結果を報告する際にアンケートを収集する。原価率、変動費などの計算は全く知らなかったので今回知ることができてよかった。今後にも活用していきたいです。
人間健康学群では、学群紹介のように、健康について栄養学、心理学、社会学、運動学など多様な分野の専門知識や実践能力を修得します。上記の記事の場合、食と健康のテーマのプロジェクトで、栄養学や調理法だけでなく、創作・販売において販売促進、収支計算などビジネス関連も学びます。こうしたプロジェクトをはじめ、健康を幅広く学んで認識・実践を深められるよう学び環境を創っています。
参考文献
酒井浩二 2014 産学連携による学園祭でのベジバーガー販売計画PBL.日本教育工学会研究会報告集, JSET14-4, pp.85-92
酒井浩二 2015 産学連携による学園祭でのベジバーガー販売PBL.日本教育工学会研究会報告集, JSET15-2, pp.79-86
(文責:酒井浩二)