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魚のなまえに隠れている「数」

みなさん,こんにちは!情報分野担当の辻野です。
今回はコンピュータではなくて,魚の「なまえ」のお話です。

魚の「なまえ」

魚には,複数のなまえが付いています。

ひとつ目は,「標準和名」です。
日本で共通のなまえで,カタカナで表します。

ふたつ目は,「学名」です。
学名は世界共通のなまえで,属名と種小名の組み合わせで表します。
ミスジスズメダイという魚は,属名は Amblypomacentrus,種名は tricincta で,この二つを組み合わせて Amblypomacentrus tricincta といいます。
以前,この魚の学名は Chrysiptera tricincta でしたが,2021年になって変わりました。なぜ,変わったかというと,この魚が属しているグループ(スズメダイ科)について分子遺伝学分野の研究が進み,所属するグループ(属)が変更になったからです。

このほかにも,出世魚のブリのように成長するにしたがって呼び名が変化したり,関西の「ハマチ」のように地域によって呼び名が異なることもあります。

なまえに「数」がついている魚たち

ハリセンボンという魚を知っていますか?なまえに「千」という数がついています。このように体の特徴が「なまえ」になっている魚がいます。
模様も特徴のひとつですね。模様には斑点や帯などがあり,帯(縞模様)の方向は頭から尾の方向が縦で,背から腹の方向が横です。

 縦帯

今回は,スズメダイ科 (Pomacentridae) の中で,なまえに数がある日本産の魚を紹介しましょう。
スズメダイ科の魚たちは,温帯から熱帯の海で生活しており,世界中で29属約400種が知られています。日本に生息しているものは,小さい種で体長が5cm以下,大きいものでも20cmを超えません。主に岩礁やサンゴ礁に住んでいます。

魚の説明にある【Web魚図鑑】はWeb魚図鑑というサイトの記事へのリンクです。魚の写真や生息環境の情報が掲載されています。

なお,図はすべて筆者がPowerPointを使って作成しました。


























 



















この他に外国に生息してする種類で,クマノミの仲間の「Twoband anomonefish」のように英語のなまえに「数」がついている魚もいます。

このブログは,情報デザインとサイエンスコミュニケーションを目的として作成しました。読んだひとが,「魚」について興味を持ってもらえたら成功です。さて,どうでしょうか?

情報デザインやサイエンスコミュニケーションについては,後に書く教員ブログで紹介します。

参考資料

・吉野雄輔写真・解説,瀬能宏監修,2018,山溪ハンディ図鑑 改訂版 日本の海水魚,山と渓谷社
・宮崎佑介著,福井歩写真,2018,はじめての魚類学,オーム社
・古?・本村,2021,スズメダイ科魚類の高次分類群に対応する標準和名,Ichthy, Natural History of Fishes of Japan 10:60-74
・中坊徹次,平嶋義弘著,2015,日本産魚類全種の学名 語源と解説,東海大学出版部
・益田一・尼岡邦夫・荒賀忠一・上野輝彌・吉野哲夫編,1984,日本産魚類大図鑑,東海大学出版会

オープンキャンパス

オープンキャンパスでは,PowerPointを使って作成した学生作品を展示しています。興味をお持ちの方は,ぜひ会場で直接ご覧ください!
次回のオープンキャンパスは、12月5日(日)に開催します。詳細はこちらよりご覧ください。