京都光華女子大学 短期大学部 ライフデザイン学科 ニュース 今年は中止になった東京モーターショー

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今年は中止になった東京モーターショー

みなさんこんにちは。デザイン企画分野の羽深です。

私は昨年4月に京都光華女子大学短期大学部に着任しましたが、大学を卒業して19年間は自動車メーカーでデザインに関する感性品質の開発を担当していました。11月は2年に1度のビックイベント、東京モーターショーが開催されるため、この時期はワクワク・ドキドキが止まらないのですが、今年は新型コロナウイルスのため開催は中止。近年は同時期に行われる中国の広州モーターショーを選択する海外メーカーが増え、従来と比較すると寂しい感じもしますが、それでも最新モデルが一堂に展示されるのは圧巻で、自動車ファンはもちろん、車に携わる人にはとても楽しみなイベントです。

私はデザインの中でも感性品質を担当していましたので、東京モーターショーでは車の外装や内装の細部の造りこみに着目して車を見ていました。車に限らず世の中にある様々な製品はデザイナーが提案したデザインがそのまま形になっている事はほとんどなく、形には必ず何らかの意味があります。最新モデルを見ながら、様々な性能や製造要件に対して、デザイナーやエンジニアがどのように知恵や工夫、さらには技術開発を駆使して課題解決を行い、質の高いデザインを実現しているのかを考えるのは、とても楽しい時間です。

一方、車そのものではなく、会場に来られた一般のお客様がどんな所に着目して車を見ているのかを遠くから眺めることで、お客様が車に対してどのような事を期待されているのかを推測することが出来ます。デザイン企画分野の2年生の授業「ユーザー体験価値デザインⅡ」では、行動観察のカリキュラムが組み込まれています。自分が物を見て考えるだけでなく、一歩引いた広い視点で物事を見ることで得られる知見があります。こちらも製品をデザインするうえでとても重要な視点です。例年ならば、平日はプロの視点で、週末は一般のお客様の行動観察を目的に東京モーターショーに参加をしていました。時代による変化もあり、今年の中止は重ね重ね残念です。

日本国内は11月になり新型コロナウイルスの新規感染者数の減少が連日報道されています。予断は許しませんが、なんとかこのまま落ち着いて、来年の秋には再び東京モーターショーが開催されて欲しいですね。