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2021.11.16 教員ブログ日本人が台湾で建設した「日式住宅」を研究しています
こんにちは。
ライフデザイン学科でインテリア分野の科目を担当している郭です。
私は生まれも育ちも台湾です。日本の大学に進学するまでは台湾で生活していました。日本の歴史ある伝統的な建築に惹かれ、留学生として京都大学に入学して以来、もう16年の年月が経ちました。日本統治時代(1895年~1945年)に台湾に生まれた「湾生」と呼ばれる日本の方の親世代が、台湾で建設した木造住宅を研究しています。これらの住宅は「日式住宅」と言います。「日式住宅」を研究対象として取り上げ、博士論文を執筆しました。京都大学の博士学位を取得した後も、「日式住宅」を研究し続けています。
台湾の日本統治時代の日本人居住地の開拓、住宅計画、住み方、生活環境を把握することに注力し、その実態を明らかにした研究実績を得ています。これらの研究成果は、日本にとって歴史の大きな転換期である昭和戦前期の住宅事情を後世に伝える意義のあるものであり、日本近代住宅史、建築史をさらに深めるという価値を持つと考えられます。現在までの研究成果を踏まえ、日本と台湾の住宅建築の比較で得た知見を基に、今後、アジア文化圏を中心に各地の住宅の基本的文脈をおさえつつ、住居史、建築史へと研究視野をさらに広げて行こうと考えています。
コロナの影響で、オンライン対応や教材作りなどの授業準備が大変ではありますが、これからも僅かな時間を見つけて、このように日本と台湾の繋がりのある研究をし続けて行きたいと思います。