京都光華女子大学 短期大学部 ライフデザイン学科 ニュース 第58回 上方漫才大賞について解説します

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第58回 上方漫才大賞について解説します

みなさん、こんにちは。
ライフデザイン学科でエンターテインメント分野を担当する鹿島我です。

今回は、先日、私が審査員を務めた「第58回 上方漫才大賞」について解説させていただきたいと思います。

まず、「上方漫才大賞」は数あるお笑い賞レースの中で、なんと今年で58回という日本最古の歴史を誇ります。そんな上方漫才大賞の審査員の一員に加えていただいたのは、私の前職が関西を中心に活動していた放送作家であり、過去に「M-1グランプリ」「R-1グランプリ」の審査員も経験しているという経歴があったからだと思います。

さらに、今ではほとんどの賞レースの審査員を芸人が務める中、審査員には一人も芸人がいないという頑固さも語っておきます。で、今年の第58回上方漫才大賞ですがまれにみる大激戦でした。

まず、新人賞にノミネートされたのは7組。当日決定した発表順にダブルヒガシ、ハイツ友の会、さや香、令和ロマン、ドーナツ・ピーナツ、 天才ピアニスト、カベポスター、その中から見事、新人賞を受賞したのは最後に漫才を披露したカベポスターでした。

トップバッターのダブルヒガシから会場はお笑いの渦。M-1ファイナリストのさや香、ドーナツ・ピーナツ、天才ピアニストが負けじと独自の漫才を披露する中、独特のセンスでボケとツッコミを重ねていくカベポスターは笑いを徐々に積み重ねていき、最後に大爆笑を勝ち取るという王道の漫才でスケールの大きさを感じさせました。おめでとう!カベポスター。

続いては、奨励賞。出番順に吉田たち、見取り図、ロングコートダディ、ビスケットブラザーズ、なすなかにし、という実力派の5組。そして、奨励賞に輝いたのはトップに登場した吉田たちでした。双子でコンビを組む2人は、得意の双子の世界観を描く漫才を封印しネタのみで勝負しましたが最初からパワー全開。爆笑につぐ爆笑で、高校時代のクラブ紹介という一見すると地味な世界を完璧な笑いへと昇華させていました。

ここまで、全国レベルのお笑いコンテストではほぼ無名の吉田たちですが、劇場では確実に笑いを積み上げる安定感抜群のコンビ。そんな吉田たちが受賞することが上方漫才大賞の存在感のような気がします。次は、大賞を目指してほしいなぁ。

そして、最後に発表された上方漫才大賞を受賞したのがプラス・マイナス。大阪府立交野高校の同級生だった岩橋と兼光がコンビを組んで今年で20年目。そんな記念の年に見事栄冠を勝ち取りました。実は私とプラス・ナイマスは少なからぬ因縁があって、彼らが若手時代「痛快エブリデイ」の「なまちゅう」というコーナーで構成者と出演者という関係でした。短い期間やったし、覚えてへんかな?一緒にコンパしたこともあるねんけどなぁ。横道にそれたけど、そんなプラス・マイナスの受賞コメントで一番うれしかったのは「頑張ったら誰かが見ててくれるんや~」。そうやで、上方漫才大賞の審査員は劇場できっちりと笑いをとるあなたたちの漫才をしっかりと見てるよ~~~。この受賞を機会にさらに飛躍してほしいなぁ。

う~ん今から来年が楽しみすぎる。受賞したコンビも、できなかったコンビもますます精進を重ねおもしろい漫才を見せてください。

それではまた!(なすなかにし風に)