京都光華女子大学 短期大学部 ライフデザイン学科 ニュース 京都伝統産業との地域連携-「京瓦」からSDGsの持続可能なインテリア素材を考えてみよう!

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京都伝統産業との地域連携-「京瓦」からSDGsの持続可能なインテリア素材を考えてみよう!

インテリア分野の授業を担当しております、郭 雅雯(クォ ヤウェン)です。

必修科目「ライフデザイン特論」の授業で、京都伝統産業と地域連携をし、SDGsの持続可能なインテリア素材を考えるというテーマで進めています。

 

建築やインテリアの建材は取り壊されると巨大なゴミとなってしまい、SDGsの観点からいうと大きな問題となっています。既存の材料を再利用し、自然と調和・共存していく持続可能な暮らしを目指すにはどのようにすれば良いのかを考えています。その問題に取り組むために、京瓦を生産・制作している京都伝統産業の会社と連携をし、普段、建物の屋根に使う「瓦」を再利用しインテリアの素材として室内空間に持ち込み、新たなインテリアの壁材を考えることにしました。

 

京都伝統産業である西陣織や京友禅、京仏壇、京石工芸品など国内外でも注目度は高いですが、現状として需要の減少や職人の高齢化・後継者不足などで衰退している状態で、残念ながらその存続・継承が危ぶまれる状況が続いています。京都伝統産業の1つである京瓦も、瓦の需要が減少し、瓦を作る会社が減り、職人も少なくなっている状況に直面しています。京瓦を現役で唯一作り続けている株式会社京瓦、浅田製瓦工場と連携して、壁に掛ける室内装飾として使えるものを学生がデザイン・考案し、工場で制作に取り組み、さらに提案しています。

 

瓦は防火、耐候、断熱などの色々な特性を持ち、建材材料としてとても優れていることが知られています。土からできたものなので、インテリアの素材としても自然な材料であり、消臭効果や調湿効果もあるため、室内空間で大きな役割を果たします。インテリアデザインにとっては新たなアイディアになるし、違う分野とコラボして新たな取り組みをすることで、今まで伝統産業を知らなかった若い世代にも魅力が届き、伝統産業の衰退の改善にも役立つと考えられます。

 

1月9日(火)に学生は自らが手作りした京瓦について発表します。興味ある方は、ぜひ聞きに来てください。