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Pythonコードの電子書籍○○事件

ライフデザイン学科教員の相場です。

 

先日体験した、電子書籍にまつわる、ある「事件」について、事件編と解決編に分けてご報告します。

 

(1)事件編

私は自宅で、ある情報系の電子書籍を読んでいました。それにはPython(パイソン)というプログラミング言語で書かれたコードも載っており、それらのコードも読むと本文に書かれた仕組みを理解するのに役立ちます。しかし、コードを読んでいてぎょっとしました。「$”_str」という変数名が出てきたからです。「あれっ、変数名の先頭にドル記号($)って使えたっけ?」と疑問に思ったわけです。私は(恥ずかしながら)Pythonの文法をすべて理解しているわけではありません。また、Pythonの文法はけっこう柔軟性があります。そこで、原則、変数の先頭にドル記号($)は使えないが、例外的にドル記号を使える場合もあるかもしれないと思ったわけです。

 

そこで、早速、チャットGPTに問い合わせました。その回答は「Pythonでは変数名の先頭にドル記号($)を使うことは一般的ではありません・・・」というものでした。なんとも微妙な回答です。「使うことは絶対ありません」と言い切ってほしかった。「一般的ではありません」だと、「例外的な使い方があるかもしれないじゃないか!」と勝手に憤慨したものです。

 

しばらく沈思黙考です。コードの少し先まで読んだところで、次のことに気づきました。「『$”_str』という変数が『r_str』だったらつじつまが合うなあ・・・」さて、勘のいい読者のみなさんは「事件」がどう解決したか、もうお分かりですね。

 

(2)解決編

私はしばらく「$” 」と「r」をじっと見ていました。そしてパッとひらめきました。「『$”』と『r』はよく見たら形が似ているではないか!『$”』にくっついている『』はなんとなく『r』を分解した右側の横棒とみなすこともできなくもない・・・」「そうか!電子書籍化の何らかの工程で『r』が『$”』に化けたに違いない!」私はこの推理が正しいことを確信しました。隣にワトソン君がいれば大いに自慢したことでしょう。

 

そうとなればいてもたってもいられません。私は直ちにこの書籍を探しに本屋へと向かいました。本屋で目的の本を見つけると早速ページをめくります。ページをめくるときにこんなにドキドキしたのは久しぶりです。ついにそのページにたどり着きました。果たしてそこには、電子書籍で「$”_str」となっていた箇所に「r_str」と書いてありました。私の推理が正しかったのです!大変すっきりしました。どのくらいすっきりしたかというと、高校生の皆さんが難しい数学の問題を解けたときと同じくらいすっきりしました。こうして「事件」は解決しました。

 

・・・とまあ、事件風に書きましたが、これは「電子書籍あるある」でしょうね。

「今回の事件簿の挿絵を生成AIに作ってもらいました」