京都光華女子大学 短期大学部 ライフデザイン学科 ニュース 世界の居住文化を知る:気候風土に適応した地域デザインとまちづくり

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世界の居住文化を知る:気候風土に適応した地域デザインとまちづくり

7月8日(月)、岐阜県立大垣桜高等学校に出張講義へ行ってきました。大垣桜高校は「服飾デザイン科」「食物科」「生活デザイン科」「福祉科」の4つの生活産業学科を併せもつ国内では珍しい専門高校です。4科がそれぞれ基礎的・基本的な学力と専門的な知識や技術の定着と伸長を目指し、学生がコンクール上位入賞や介護福祉士国家試験合格などを達成している高校です。今回は、「生活デザイン科」の年生の学生を対象に講演を行いました。3年生は専門性の向上を目指し、進路実現に向けた科目を選択して自分の進路について考えるということで、ご依頼いただきました。また、住居やインテリア、文化に興味を持つ学生がいらっしゃることや、内容が面白そうと思っていらっしゃることが私にご依頼いただいた理由の一つでした。

今回の講義内容は、「世界の居住文化を知る」の一環の中、「気候風土に適応した地域デザインまちづくり」を中心にしました。

世界には実に様々な気候や風土があり、そこで人々が生活を営んでいます。日本の住居や居住文化をより深く理解するためには、国境を越え、視野をさらに広げ、海外の建築、住居、まちを知る必要があると思います。今回は、温帯と冷帯気候の日本と私の出身国の亜熱帯気候の台湾の居住地を始め、さらに寒帯気候、地中海気候、大陸性気候などのいくつかの国の建築と住居、まちの分析を通じて、そこで暮らす人々は長い歴史の中、それぞれの地域で各種の自然環境に適した暮らし方を工夫して住み続けていること、地域デザインまちづくりをどのように行っているのかを知ってもらうきっかけになればと思います。学生の興味関心を引き出した上、探究学習や生活デザインの専門性の向上へ繋げればという狙いです!

学生は講義内容について、興味津々で真面目にメモを取りながら聞いていました。専門性のある高校で、基礎的・基本的な学力と専門的な知識や技術を身に付けることはもちろん、学生が勉学の意欲がとても高いこと、礼儀正しいことに感心しました。

今回の講義について学生から感想をいただきました。

「先生の疑問があれば仮説を立てて実際に調べようとする姿勢、行動力を私も見直したいし、疑問に思うことはどの教科でもとても重要だと思った」「住居、地域、まちに限らず、他のことでも自分に問いかけ自分で答えを探し出すことは大事なことだと改めて知ることができ、大切なことが学べたので、この講義を受けて良かった」「自分の住んでいる地域と他の地域を比べて、なぜこうなるのかを考えたりして、まとめられていて、とても理解しやすかった」「世界の住居やまちの違いが印象に残り、その地域の暮らし、ライフスタイルに合った住居、まちづくりの大切さが分かった」「同じ東アジアで気候も似っているが、より快適に暮らすための工夫やデザインを行うことを知り、とても勉強になった」「各国の住居とまちは色々な特徴があり、気候や所在地域、場所によって、素材、建て方が違うこと、他国の民族の住生活、居住文化も詳しく知ることができたので、とても面白かった」「今回の講義を受けて、初めて知れたことや驚いたことがたくさんあり、面白かった」「国の気候や環境によって、色んな工夫を施している家を見ると、そこに住む人の生活などが分かって面白かった」「国によって国民性に大きな違いが表れているので、色々な国の文化について知りたいと思った」

今回の講義が少しでもお役に立ったようで、嬉しく思います。

今回、お招きいただきました郷先生、高校生と触れ合う貴重な機会をいただき、どうもありがとうございました。