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2025.09.30 日々の出来事第10回短大フォーラム参加記録
ライフデザイン学科教員の相場です。
第10回短大フォーラムに参加してきました。簡単に参加記録を残しておきたいと思います。
短大フォーラムは2016年度に本学を開催校として始まりました。短大フォーラムの目的は次の3つです。
(1)参加者が元気になる
全国の仲間とともに主人公になる
(2)短大のあり方を検討し短大の改革につなげる
短大フォーラムでヒントをもらう
(3)短大間連携で学生に主体的学びの場を提供する
成果発表、グループワーク→参加学生は元気に
以来、様々な短大で開催を続け、今年度で10回目になります。途中コロナ禍にも襲われましたが、オンラインで開催を続けました。コロナ禍の中、中止になるイベントが多い中、10年間続いているのは画期的です。
今年度は9/9(火)-10(水)に、松本大学松商短期大学部を開催校として行われました。本学からは学生11名、教員2名の13名で参加しました。学生の内訳は、昨年度(本学開催)に引き続きの参加の2年生4名と初めて参加の1年生7名です。
9/9(火)は13時からオープニングが始まり、その後、高橋吏良先生(筑波大学)の講演会、学生・教職員皆でのグループワーク、情報交換会と続きました。10日(水)は10時から再開され、学生メニュー、教職員メニューが別々に用意されました。学生は学生のみでのグループワーク、プレゼン準備を行いました。一方、教職員は青木秀樹先生(Motivation Institute)をファシリテータに迎え、FD・SD研修会を行いました。午後からは学生のプレゼン大会、そして、表彰式・エンディングと続きました。
以下、高橋先生の講演会、教職員のFD・SD研修会、さらに学生のプレゼン大会について簡単に、私の感想をもとに記録しておきたいと思います。
なお、参加学生によるブログもあります。こちらをぜひご覧ください。
高橋先生のお話は、VUCA時代のキャリアデザインの1つのモデルにもなる話だと思いました。高橋先生はご自身のキャリアの節目節目で、必要だと思われた学びや資格に躊躇なく挑戦され、新たに得た学びや資格をもとに新たなステップへと挑戦される人生を歩んでこられました。現状では誰でもが真似できるものではないかもしれませんが、自分にとってどんな学びが必要になるか予測が困難な時代の中、具体的な学びの必要性が明らかになった時、その都度その学びを得られるような新たな仕組みつくり、すなわちVUCA時代の学びのしくみが必要になると思いました。
青木先生をファシリテータに迎えてのグループワークでも大いに刺激を受けました。特に次の3点が印象に残っています。1つ目は、「2年単位で考える」ということです。グループにおられた社会人の方が「現在私は2年単位で人生を考えている」ということをおっしゃっていました。4年は長すぎるとも。そこから短大の話に流れて行ったのですが、高等教育の出発点として2年間というのは悪くない、そこで1区切りをつけて次の2年間を考えればよいという話で盛り上がりました。
2つ目に、ある資格系の学科の先生の話です。それまでは2年コースしかなかったのですが、どうも学ぶ内容が多すぎて学生にゆとりがない。そこで、同じ2年間の内容を3年かけて学ぶ3年コースを作られたそうです。すると入学希望者が数割ほど増えたそうです。(ただし学費は3年で2年分だということです)追加の内容を学ぶために3年コースにするのではなく、ゆとりをもつために3年コースを持つ、これまでないアイデアなのでなるほどと思いました。特に資格系の学科では今後選択肢の1つとなり得るのかもしれません。
3つ目は、グループワークの課題でもあった「今の学生のニーズを定義してみよう」に関わるものです。話し合いの中から生まれてきたのは次の考え方です。今の学生は表面的には何もニーズを持っていないようにも見える。しかし、それはあくまでも表面的なことで、もう少し深く掘り下げたら、学生は今の社会状況のもと、切実なニーズをかかえている。そのニーズを一緒に掘り出すことが大事だ。さらに、その際、高校との連携も重要になる、という考えです。ニーズというものを浅くとらえないという考えにはなるほどと思いました。
プレゼン大会についても記録しておきます。
短大生が5つのチームに分かれてプレゼンを行いました。以下、各チームの簡単なメモです。
1.タイトル:「交留×交流」 チーム名「Girls」
短大間で交換留学の制度を作り交流しようというもの。「短大生が全国で、気楽に楽しく体験して学ぶことができたらうれしい」という思いを制度にしました。学びの内容に「留学」先の地域文化の体験、例えば地域の祭りへの参加、特産品の試食等も考えています。問題は宿泊ですが、学校の空きスペースを活用したり、学生の家への「民泊」で何とかしようという提案です。
2.タイトル:「極める夏の集中合宿」 チーム名「しまうな」
短大が連携して合同合宿を行おうというものです。座学よりも活動をメインに据えるということです。学生が講師を行うという、徹底したアクティブ・ラーニングです。また、企業の協力を得てさまざまな職業体験の場にもしたい。合宿の内容は各短大に持ち帰り、翌年度の1年生にも伝えます。
3.タイトル:「シャラララン-ポッケの中の秘密道具」 チーム名「Stole Apple」
学生のがんばりを可視化するアプリの開発です。資格取得やボランティア等の課外活動に参加するごとにポイントをゲット。ポイントに応じて「報酬」を受け取れます。学校側にとっても学生の活動が把握でき、課外活動等への参加率向上にもなるのでメリットがあるだろうという考えです。
4.タイトル:「短大間で交換留学してみた」 チーム名「プチトマト」
チーム「Girls」と同じ短大間での交換留学の提案です。期間は2週間程度。学生主体で、自分たちで計画・行動します。企画としてスポーツ大会の実施も挙げています。
5.タイトル:「短大マッチング」 チーム名「チームポニョ」
他校の学生との交流を、アプリを通して行おうというもので、広い意味での短大間連携の提案と言えます。原則、在学生のみの利用となります。開発は全国の短大生の協力によって行う、運営も全国規模で運営サークルを作って行うというものです。
これまでの短大フォーラムもそうですが、今年度も、普段考えたことのないテーマで、急ごしらえのチームでしっかりプレゼンまでもっていく学生の底力に改めて感心させられました。