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オンライン授業(アロマセラピー)

こんにちは!

雨続きで気分が沈みがちな時期ですが、皆さんいかがお過ごしですか?今日は老年看護学演習Ⅱのオンライン授業を紹介しますね!

 老年看護学演習Ⅱでは「高齢者の非薬物療法;アロマセラピー」の講義を取り入れています。今年はコロナの影響でアロマハンドマッサージの演習ができませんでしたが、ホリスティックケアプロフェッショナルスクール​学院長の相原由花​先生に、大変興味深い内容のオンライン授業をしていただきました。

 先端医療の治療効果がクローズアップされる一方で、治らない病気や原因が分からない病気は、皆さんが想像される以上にたくさんあります。

 授業の冒頭では、超高齢化社会における認知症のこと、慢性疾患の現状、終末期医療の国の指針を踏まえて、「これからは、治すことがゴールの医療ではなく、支え合う医療が必要であり、看護師の役割は大きいです!」という言葉から始まりました。

 「看護として行うアロマセラピー」の授業では、まず精油の成分や身体への効果、使い方の工夫や留意点の説明があります。例えば、ユーカリ油の成分であるユーカリの葉には「青酸」が含まれており毒性があります。コアラは体内に青酸を分解する酵素を持っているのでユーカリの葉を食べても大丈夫ですが、人間はその成分が含まれる精油を間違っても飲んではいけません。

 また、精油は水には溶けないので水の上に浮いてしまいます。その中に肌をつけてしまうと刺激が強くなるため、基本は水の中に精油を入れ使用することもNGのようです(希釈量や精油によっても違いあり)。ということで、足浴をしながらアロマを香るという方法があるのですね・・なるほど、なるほど。

 アロマセラピーは、フランスの「ルネ・モーリス・ガッド・ホセ」という人によって生み出され、1938年に「Aromatherapy」という本が出版されています。しかし、実はそれよりも以前に、「フローレンス・ナイチンゲール​」が、クリミア戦争で傷ついた兵士のケアにラベンダーの精油を使用していたそうです。

 現在、アロマセラピーは統合医療の中に位置づけられており、国内外でもエビデンスのあるセラピーとして対人援助の場で活躍しています。ホリスティックアロマセラピーは、​植物から抽出した100%純粋な精油の​①香りの心理的作用、②成分の薬理作用、アロマセラピーマッサージによる​③タッチの効果​を使い、患者の自己治癒力を向上させるサポートします。

 少し専門的な話になりますが、私たちの身体の「怒り」「不安」「恐怖」は不快情動で、「喜び」「楽しみ」「安心」は快情動です。快情動の分泌ホルモンには、「セロトニン」「アセチルコリン」「βエンドルフィン」があり、βエンドルフィンは麻薬以上の鎮静効果があるのです。なので、看護の仕事はケアを通して患者さんを快情動にもたらすことが望まれます。

 他にも、快情動の分泌ホルモンには「オキシトシン」があります。このホルモンは、犬と触れ合ったり、チンパンジーが食べ物を分け合うときに分泌され、「安らぎ」「安心感」「優しさ」といった感情が芽生えるので「幸せのホルモン」とも言われています。実は1分間に40回の割合で心地よいタッチを行うと、このホルモンが分泌され、ラットの実験では血圧が下がったり痛みの閾値が上昇(痛みを感じにくくなる)したそうです。

 治療ができなくてもケアにはこのような生理学的なエビデンスがあります。

 相原先生は、「アロマセラピーは病気そのものを治すわけではなく、自己治癒力のサポート」であり、「自己治癒力を高めるには、患者さんの生活を整えることが大切であり、看護師にとってアロマは非常によい道具である」と言われていました。

 実は、先生は看護師の資格もお持ちで、これまで患者さんの苦しみと同時に看護師の苦しみにも直面されたそうです。「治らない患者さんを目の前に看護師は何もできないのではなく、患者さんにとって安らげる存在であること自体が大切なケアであり、もう一歩前に踏み出すことが必要!」のようです。

 講義の後半ではアロマセラピーを用いた看護の事例紹介があるのですが、先生の授業はその場に自分がいるかのように引き込まれていく感覚があります。授業の内容も大好評なのですが、看護師でありセラピストであり起業家でもある相原先生は、学生さんにとって憧れの存在です。

 最後に、授業のアンケート結果を紹介しますね。
「看護に癒しの技術としてアロマセラピーなどをとりいれていくことで患者さんが質の高い療養生活を送ることができるということを学び、アロマセラピーの効果の大きさを実感しました」

「精油の使用方法や、植物によるアロマの効果の違い、留意点など、具体的説明に加え、写真や実例等の使用がありとても分かりやすかったです。今後、患者さんの意思を尊重し、信頼関係を築いた上で、患者の心身的苦痛に寄り添えるよう、アロマに関する正しい知識の定着を行い、安全かつ安楽な技術の提供を行っていきたいです」

「アロマがどのような場所で使われているのか、どんな効果があるかについて詳しく学ぶことができました。特に、相原先生の体験談を聞くことがとても興味深かったです」

「とても興味深い講義で、母と一緒に授業を受けました」

「昔、私のおばあちゃんが入院していた時に、一人の看護師さんがアロママッサージを実施してくださったことを覚えています。その光景を間近で見て、私もこのような看護師になりたいと思っていました。今回、詳しくアロママッサージの講義を受けて、初めて学べたことがたくさんありました。この経験を生かして行きたいと思います」

学生時代にこのような授業を受けられるのは貴重だと思います☆
オンライン授業を家族と一緒に聴講できてよかったですね^^)
皆さんも、是非、本大学でこの講義を体験してみて下さい!♡

相原先生です!

精油の種類や効果、留意点について教えていただきました。

アロマを使った足浴です。

終末期の患者さんへのアロマセラピー研究です。

今年は動画でのマッサージでしたが、来年は是非とも対面で学びたいです。