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当事者授業(在宅看護学)☆彡

皆さん、こんにちは!

7月になりましたね。京都の夏は暑くなるので、体調に気を付けてお過ごしくださいね。

さて、今日は在宅看護学の授業を紹介します!

皆さん、629日の「高校への模擬講義」のブログをご覧になられましたか?

そのブログで、難病について触れましたが(まだ見られてない方は是非ご覧くださいね^ ^)、本学科の在宅看護学では「当事者授業」を取り入れています!

患者さんの看護について考えるとき、さまざまな側面から対象者を捉えていくことが必要です。

例えば、身体の状態については、血液検査やレントゲン・筋力テストなどを指標に、正常値からどれくらい逸脱しているのかで、身体状態を評価することができます。

しかし、患者さんの生活の良し悪しは、身体的な指標からは評価できません。

健常者の視点で、動けない人の生活は大変だろう思っても、車いすなどで機能障害を補いながら生活している当事者は、動けないことよりも他のことに価値を見出し、豊かに暮らしていることもあります。

ですから、患者さんの思いを知ること、そして表面的な言葉だけでなく、実際の生活を知ることは、看護を考えていく上でとても重要になります。

在宅看護学の西田先生は、看護師をしているときに、在宅の ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者さんのケアに右往左往しながら、難病看護について考え、取り組んできました。

そのときの患者さんとは今でもお付き合いがあり、大学の講義にも参加してくださっています。

難病といっても、身体や生活への影響は病気によって様々ですが、ALSという難病は、体が動かない、声が出せない、飲み込みができない、といった重度の障害を抱えます。

その人たちの暮らしは大変そうに見えます。

もちろん、大変なこともあるのですが、障害を補う補助具や医療的ケア、家族の介護負担を軽減できる医療・福祉サービス(制度)が整っていれば、地域の中で充実した日々を過ごすことはできます。

大学の講義では、患者さんが発症から現在の生活、思いの変化などを学生さんに伝え、コミュニケーション方法の演習を行い、胃ろうや人工呼吸器などの医療的ケアを間近で見学していきます。

当事者の思いや生活について触れたとき、学生さんたちは、それまでの自分の見方や捉え方にハッと気づき、患者さんにとって必要とされている看護について考え始めます。

当事者授業の学びは大きいようで、授業後のレポートには多くの気づきや感想が書かれています。

今年度はコロナの影響で対面授業が行えないので動画配信となります。その授業撮影の際に、学科ブログの配信も快く承諾してくださったので、皆さんにもALS当事者の増田英明さんの生活の一部をご紹介しますね。


増田さんは、吸引チューブを工夫して、その空気圧でパソコン操作をされ、メールや大学の授業資料もご自身で作成されています。学生さんのために、自宅でのケア動画も準備してくださっていました。

当事者授業は学生さんにとって貴重な経験となっています。

是非、本大学で、難病患者さんの在宅生活に触れながら、在宅看護について一緒に考えていきましょう!

吸引チューブの空気圧でパソコン操作され、授業資料を操作されています。

パソコン以外にも、50音透明文字盤で自分を思いを介助者に伝えます。

2年前の授業風景ですが、授業のときは介助者が代読しています。増田さん専属の介助者は、複数の大学の学生さんで構成されています。

介助者との在宅生活を組み立て、家族の介護負担を軽減し、地域へ出かけられています。