京都光華女子大学 健康科学部 心理学科 ニュース 4回生の皆さん、卒業論文の提出お疲れ様でした。

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教員コラム

4回生の皆さん、卒業論文の提出お疲れ様でした。

心理学科では、12月20日が卒業論文・卒業研究の提出締切りでした。着々と計画通りに進めて前日までに提出する人、最後まで粘って締切り当日に提出する人、提出までの道のりは人によって様々です。私も、担当するゼミの4回生たちの様々な執筆ペースに振り回されながら、精一杯指導して、何とかゼミ生全員が無事提出できました。文字通り「師走」でした(笑)。

ところで、皆さんは、子どもの頃の夏休みの宿題は、いつ頃までに仕上げていたでしょうか?夏休みに入ったらすぐに全て終わらせていた人、毎日予定通りに進めて余裕をもって仕上げていた人、最後の1週間ほどで一気に片付けていた人、中には、締切りが過ぎてから提出していた人もいるかもしれません。もしかしたら、皆さんは、今でも、何かの締切りがあるときに、子どもの頃の宿題と同じようなペースで物事を進めているのではないでしょうか。

こうした現象については、心理学の様々な理論から説明が可能ですが、例えば、「学習」という考え方で説明するのがわかりやすいかもしれません。計画通りに着々と進めて宿題が締切りに間に合ってきた人はそれを成功経験として「学習」していきますし、逆に、締切りが近づいてこないと物事をやり始められない人も、過去に「締切り間際から始めても宿題を終わらせることができた」という成功経験を重ねてきた、つまりそのような経験を「学習」してきた人だと考えられます。また、締切りを過ぎてしまう人は、子どもの頃に「締切りを過ぎてから宿題を提出しても何とかなった」という成功(?)経験を学習してきたのかもしれません。「習慣は第二の天性」とは、古代ローマの言葉だそうです。

ただ、今回、ゼミ生たちの様子を見ていて、卒業論文や卒業研究のような大きな課題の場合、着々と計画通りに進めるタイプの人でも締切り当日の提出になることもあるのだな、とあらためて気づかされました。それは、「卒業論文という作品を少しでも良いものにしたい」という向上心と、「良いものを仕上げるためならぎりぎりまで踏ん張ろう」というあきらめない心の顕れだと思います。

普段は、ゼミ生たちに「早めに書き始めましょう」と言ってはいますが、実は、私自身締切りが近づかないと頑張れないタイプなので、本当は偉そうなことを言える立場にはありません…。着々と研究計画を進めながら、最後まで踏ん張って良いものを書き上げようとする学生たちの姿を見て、彼女たちの爪の垢を煎じて飲まないといけないかも…と思わされた年末でした。

鳴岩 伸生(2016年12月26日)