京都光華女子大学 健康科学部 心理学科 ニュース 研究テーマを決めるということ

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教員コラム

研究テーマを決めるということ

前期授業の開始とともに、3年生のゼミが始まりました。ゼミというのは、関心のある分野が近い学生が集まった少人数のクラスです。これから2年の間にそれぞれの関心を深め、研究テーマを選び、卒業論文や卒業研究という形にしていくことになります。

自分自身の研究テーマを決めることは、大学での学びの根幹となる大仕事と言えます。知識や技術を身につけることも大学での学びの大きな目的の一つですが、そうしたすべてを自分のなかに消化したうえで、そこから何か新しいものを生み出す。研究テーマを決めることは、その最初の一歩となります。

自分が一体どんなことに関心があるのか。これは考え始めるとわからなくなることだったりします。はじめは漠然としていて、つかみづらいかもしれません。しかし、そこからはじめて少しずつ自分の関心を具体的な形にしていきます。関連しそうな書籍や論文を読んでみたり、ボランティアやアルバイトなどで経験を積んだり、先生やゼミのメンバーなど、色々な人から意見をもらったり、話を聞いたりしていくうちに、はじめはぼんやりしていた関心が、一つの疑問、問いという形に結晶化していきます。そこまでいけば、論文を書く準備が整ったと言えます。

心理学の研究テーマは面白いもので、なんとなく、という感覚で選んだ場合でも、知らず知らずのうちに自分にとって大事なテーマ、自分の存在の根幹に関わるようなテーマを選んでいたりするもののように思います。私自身、大学3年生のときに初めて研究テーマを選んでからすでに20年くらいたってしまいましたが、やはりそのときに選んだテーマには自分にとって大切なことが含まれていると感じます。

研究テーマが決まってからがまた大変なのですが、ゼミの皆さんと長い道のりをゆっくりと歩いていけたらと思います。大変だけれども、色々と発見のある、楽しく充実した旅になるだろうと思います。

今西 徹(2017年4月11日)