京都光華女子大学 健康科学部 心理学科 ニュース 進学する大学を選ぶということについての雑感

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教員コラム

進学する大学を選ぶということについての雑感

夏はオープンキャンパスの季節です。京都光華女子大学心理学科でも多くの方においでいただき、いろいろとお話させていただきました。皆さんそれぞれに大学進学について考えておられ、我々も本学科の教育内容や環境についてできるだけイメージしやすいようにと一生懸命説明させていただきましたが、お役に立てましたでしょうか。

どのような大学に進学するか、将来どのような道に進むか。これらを選ぶことは考えてみると大変に難しいことです。自分にとって一番正しい道を選ぶにはどうしたらいいか。まさに今実感として、難しいな、と頭を悩ませておられる方も多いかもしれませんが、実際のところ、それはほとんど不可能に近いことをやっていると言っても過言ではないと思います。

大学での学びは、単に知識や情報を得たり、技術を身につけたりすることにはとどまりません。学んでいく過程で自分自身のものの見方や考え方そのものが変わっていくということが起こる場合に、それを本当の意味での学びと呼ぶことができるのだろうと思います。ということは、大学で学ぶことによって到達できる地点というものは、現在の私のものの見方や考え方によっては評価できない、理解できないということになります。

ようするに、進学する大学を決めるためには、よくわからないことをよくわからないまま選ばなければならない、ということになります。こんな難しいことを、皆さんどのようにして成し遂げておられるのでしょうか。謎です。

自分自身を振り返ってみれば、相当いい加減な、甘い考えにもとづいて大学を決めたような記憶がありますが、その分後で苦労しました。まあ、それでいいんじゃないのかな、と思います。選ぶときは直感でもただ好きだからということでも、姑息な計算でも、ただなんとなくでも、なんでもいい。選んだことについて後から汗水たらして引き受ける、責任をもつことができれば、それは結果的に正しい選択をしたことになる。そんなふうに私は考えてみたのですが、皆さんはどう思われますか。

今西 徹(2017年8月10日)