京都光華女子大学 健康科学部 心理学科 ニュース ホームカミングディ~新たな思い出を紡ぐ日~

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教員コラム

ホームカミングディ~新たな思い出を紡ぐ日~

あかね祭の初日、小雨交じりの中、今年もたくさんの卒業生・修了生がホームカミングディに集まって下さいました。卒業生の年代もまちまちで、昨年度の卒業生をはじめ、数年ぶりに大学に来た人も多く、友人同士や先生方との間でとても話が弾んでいました。仕事や家庭の話は決して順調な話ばかりではない様でしたが、時にユーモアを交えて生き生きと話す様子には、学生時代よりもよりくっきりとその人らしい個性が現れていて、人生の中でのそれぞれの成長を強く感じました。

今年は私自身が中学時代を過ごした町に久しぶりに行く機会がありました。中学1年~高校1年という最も多感な時期を過ごした場所は何もかも懐かしかったのですが、特に嬉しかったのは、私たちの“嵐が丘”が健在だったことです。校舎の裏山にあって大きな岩が目かくしになる場所、そこが私たちの秘密基地、先輩から受け継いだ名前が“嵐が丘” でした。部活動のない日、私たち3人はそこで雑誌を回し読みしたり交換日記を読んだりして過ごしました。「赤毛のアン」のアンとダイアナのようにそれぞれの思いを伸びやかに語り合って過ごした時間はかけがえのないものです。

先日、久しぶりに会った友との楽しい時間が終わり、思い出深い町の駅を電車が出た直後、母校のある山の中腹に“嵐が丘”がちらっと見えました。その時、私の中の思い出の扉も開いて、昔の友だちの顔とつい先ほど別れたばかりの友だちの柔和な笑顔が目に浮かびました。今と昔が重なり合う不思議な空間、このような心のホームがあるからこそ、私たちは帰ってきたくなるのですね。

ホームに帰る日は、記憶の中にある昔の自分とふれ合う日であるとともに、新たな思い出を紡ぎ出す日でもあります。私たちのホームカミングディ、もっともっと大切にしたいと思いました。

「お帰りなさい」そして「ありがとう」

徳田 仁子(2017年12月6日)