ニュース

教員コラム

公認心理師という資格

11月末、第一回公認心理師試験の結果が公表されました。35,020人が受験し、27,876人が合格とのことです。

自分自身試験勉強をして、実際に受験するなかで、はたして本当にこれが実際にカウンセリング等の現場でクライエントさんのお役に立つための知識や技能を反映しているのだろうか、確かに知っておいたほうがいいかなと思える知識もあるけれど、これだけで本当に必要なことがはかれるのだろうか、という疑問は持っていましたが、試験結果が出て、身近な人たちの合否の状況なども聞くなかで、その思いは余計に強くなりました。

一方では、受験者の8割近くが合格しているわけであり、今回あまりに簡単に公認心理師が生み出されてしまったのではないか、という懸念があります。合格された方がカウンセリングなどの臨床のお仕事をしっかりとされている人であることを願うばかりです。もう一方で、相当な能力が要求される現場で今現在しっかりとしたお仕事をされている方が不合格だった、という話もちらほら聞きました。いったいどうなっているのだろう、と思わないではいられません。

公認心理師もスタートしたばかりであり、これからよりしっかりしたものとなるようつくりあげていかないといけないということかと思います。特に、心の問題に関する支援を必要とするクライエントさんが、この人は公認心理師だからと期待して頼ったのに、その心理師に能力が全然ともなっていなくて不利益をこうむられたり、さらには深く傷つかれたり、といったことは、極力避けたいところです。資格があり、履歴書に公認心理師と書いてあっても、中身がともなわなかったら困ります。

ともかく、少なくとも京都光華女子大学にきてくださった学生さんで公認心理師になろうという人には、支援を必要とする人の本当の意味での助けとなることができる人になっていただけるよう、全力をつくしていきたいと思っています。

 

今西 徹(20181217日)