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教員コラム

ご入学おめでとう!

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。

 新型コロナウイルスの影響で、入学式は中止、授業開始も遅れ、5月までは対面授業も行われないという異例の新学期となりました。皆さんも、不安な中での大学生活のスタートとなったかもしれません。せめて、入学式の代わりにと思って、3月31日(入学式予定日の前日)に撮影した写真を添えさせていただきます。 

 4月14日の朝日新聞に、『きんぎょが にげた』や『みんなうんち』など数々の名作を描かれた絵本作家の五味太郎さんのインタビュー記事が載っていました。記者が「急に学校が閉められて先の見通しも立たず、大人も子どもも心が不安定になっている」と問いかけたのに対し、五味さんは「それじゃ、逆に聞くけど、コロナの前は安定してた?居心地はよかった?」と問い返します。「学校も仕事も、ある意味でいま枠組みが崩壊しているから、ふだんの何がつまらなかったのか、本当は何がしたいのか、ニュートラルに問いやすいとき」だと言います。「いまは、子どもも大人も、本当に考える時期」なのだと。 

 言われてみれば、今、教授をしておられる60代の先生方は、「学生時代は、学生運動が盛んだったから授業がなかった」とおっしゃいますし、私も、学生時代は、「学生は授業に出ないで、自分で本を読んで勉強するもの」という文化(!?)の根付いた大学にいたので、本格的に授業が始まったのは、5月の連休明けでした。それまで何をしていたかと言えば、拝観料のいらない京都の名所を自転車で回ったり、受験生の間、我慢していた漫画や音楽を思う存分読んだり聴いたりしたように思います。

もちろん、元の生活に戻れたら…という気持ちもあるかと思いますが、外出自粛の今だからこそ、タイトルしか知らなかった名著(小説でも漫画でも)を読んでみたり、有名人がおススメしている映画を観てみたり、自然の中を散歩してみたり、自分の心と身体を豊かにする時間を作ってみてはいかがでしょう。思う存分、自分の好きなことに没頭したり、やりたかったことに挑戦できるのが、学生の特権なのですから。

と言っても、もう20日からは授業が始まります。光華には、クラスアドバイザーといって、相談にのってくれる担任の先生がいます。もし何か大学生活を送るうえで困り事があれば、相談にのってくれます。遠慮しないでメール等で相談してみてください。

毎年1年生にお伝えすることですが、大学の4年間は、皆さんが思っている以上に短いです。これまでやりたくてもできなかったことに、積極的に挑戦してみてください。皆さんが、光華の心理学科で充実した4年間を過ごされることを願っています。

 心理学科学科長 鳴岩 伸生(2020年4月17日)