
社会学部社会共創学科は、2026年4月に開設された新しい学科です。現在在籍しているのは1年生で、社会学入門や社会共創基礎演習などを通して、現代社会を理解するための基礎知識と、他者と協働するための力を身につけています。
では、学年が上がると、どのような授業が行われるのでしょうか。
高校までの授業とは異なる大学の少人数教育や、専門分野を深く学ぶゼミの様子をイメージしてもらうため、今回は、社会共創学科の平松隆円准教授が、キャリア形成学部キャリア形成学科で担当する3年生ゼミを紹介します。
日中の美容ビジネスに精通するCoco Caiさんが来学
2026年4月14日、化粧心理学や化粧文化論、ブランド戦略論を専門とする平松隆円准教授の3年生ゼミに、中国人No.1女性美容家のCoco Caiさん(IG : rococo319)をゲスト講師としてお招きしました。
Coco Caiさんは、日本と中国の美容・化粧品業界で長年にわたり実務経験を重ねてきました。これまでに、日本の女性ファッション誌『LUCi』(扶桑社)の中国語版編集業務に携わったほか、中国における資生堂の社内教育の通訳やコンサルティング、P&Gの化粧品ブランド「SK-II」に関する美容部員向け教育教材の作成、カウンセリング指導などを経験されています。
現在は、美容業界で培った経験と感性認知科学の知見を生かし、美容、健康、ライフスタイルを通して、一人ひとりが自分らしく生きるためのライフデザインを提案しています。
中国のライブコマースは、なぜ商品が売れるのか
特別講義では、急速に変化する中国の美容市場や、インターネットのライブ配信を通して商品を紹介・販売する「ライブコマース」についてお話しいただきました。
ライブコマースでは、配信者が商品の特徴や使用方法を紹介し、視聴者から寄せられる質問にその場で答えます。消費者は、商品の説明を一方的に受け取るだけでなく、配信者とのやり取りや実演を通して、商品を具体的に理解してから購入できます。授業では、ライブ配信とオンラインショッピングを組み合わせた中国独自の販売方法を題材に、消費者が商品を知り、興味を持ち、購入を決めるまでの仕組みを考えました。
化粧品そのものの品質だけでなく、「誰が、どのような言葉で紹介するのか」「消費者との信頼関係をどのように築くのか」も、マーケティングでは重要になります。
日本と中国では、化粧品の売り方も異なる
Coco Caiさんからは、日本と中国における化粧品市場やマーケティングの違いについても紹介していただきました。
同じ化粧品であっても、国や地域によって、好まれる商品、購入する場所、参考にする情報、広告の表現は異なります。企業が海外で商品を販売するためには、日本で成功した方法をそのまま持ち込むのではなく、現地の文化、生活習慣、価値観、メディア環境を理解する必要があります。学生たちは、日本と中国の事例を比較しながら、商品を販売するマーケティングと、その国の社会や文化が深く結びついていることを学びました。
化粧品マーケティングを学ぶことは、たんに「商品を売る方法」を覚えることではありません。人々が美しさをどのように捉え、何に価値を感じ、誰から影響を受けて商品を選ぶのかを考えることでもあります。
「本当の美しさ」とWell-Beingを考える
講義の後半では、Coco Caiさんが挑戦している「ミセス・インターナショナル&ミズ・ファビュラス2026」の経験を手がかりに、「本当の美しさとは何か」について考えました。
美しさは、顔立ちや体形、年齢といった外見だけで決まるものではありません。これまでの経験、自分らしい生き方、他者への思いやり、社会との関わり方も、その人の魅力につながります。学生たちは、美容や化粧が外見を整えるためだけのものではなく、自信を持つこと、自分を表現すること、心身ともにより良く生きることとも関係していると学びました。
これは、社会共創学科が目指す「誰もが笑顔で生きられるWell-Beingな社会」を考えるうえでも重要な視点です。
化粧やファッションを社会学から学ぶ
「衣食住」という言葉があるように、衣服、化粧、ファッションは、私たちの生活に欠かせない身近な文化です。
私たちは、服装や化粧を通して、自分らしさを表現したり、他者との関係を築いたりしています。一方で、流行、広告、SNS、ジェンダー、年齢、職業、経済状況など、さまざまな社会的要因から影響も受けています。そのため、化粧やファッションは、美容技術やデザインだけでなく、社会学、心理学、文化研究、経営学、マーケティングなど、複数の視点から研究できるテーマです。
社会共創学科では、社会学を基盤として、経営、心理、文化、データサイエンス、情報、デザインなどを分野横断的に学びます。身近な疑問を社会の課題として捉え、企業や地域の人々と協力しながら、新しい商品、サービス、仕組みを考える力を養います。
「化粧品やファッションが好き」「SNSや広告に興味がある」「日本と海外の文化やビジネスを比較したい」という関心も、社会を読み解き、より良い未来をつくるための学びにつながります。
京都光華大学社会学部社会共創学科では、学生一人ひとりの興味や疑問を大切にしながら、教室で得た知識を社会で生かす実践的な学びを展開していきます。
